2003 Fiscal Year Annual Research Report
選択的遺伝子発現を促すアデノウイルスベクターによる肺線維化抑制治療の基盤的研究
Project/Area Number |
15591485
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 清俊 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50193579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 一雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80275247)
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Keywords | 肺線維化 / Cre / loxPシステム / adenovirus vector / 線維芽細胞 / 肺胞上皮細胞 / TK / Akt / YB-1 |
Research Abstract |
肺線維化に対する遺伝子治療の多くは、肺胞上皮細胞を保護しその増殖を促す方法、あるいは線維芽細胞の増殖を抑制する方法のいずれか一方を行ったものである。そこで我々はCre/loxPシステムを備えたadenovirus vectorを用いることにより、その両者を同時に行おうと試みた。 線維芽細胞に自殺遺伝子TKを発現させるloxP virus《CAGプロモーター-loxP-スタッファー配列-loxP-目的遺伝子(TK)》はすでに作成を終了していた。これにcollagenプロモーターを有するCre virus《collagenプロモーター-Cre》を共感染させることにより、線維芽細胞にTKを発現させるのである。さらにはloxP virusのスタッファー配列内にAkt遺伝子を組み込むことによって、肺胞上皮細胞にAktを発現させることができるのである。我々は《collagenプロモーター-Cre》および強力なプロモーターであるCAGを有する《CAGプロモーターーCre》の作製に相次いで成功した。また、Aktを組み込んだコスミドを作製することにも成功した。今後、293細胞内にてvirusを大量生産する予定である。 上記以外のvirusの作製も平行して行った。loxP virusの目的遺伝子としてcollagenの発現を抑制させるYB-1(Y-box-binding protein)やSmad7組み込んだ《CAGプロモーター-loxP-スタッファー配列-loxP-目的遺伝子(YB-1 or Smad7)》を作製した。これに《collagenプロモーター-Cre》を共感染させ、collagenプロモーターによる選択的な遺伝子発現によってどのような違いが見られるのか、今後検討する。
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