2003 Fiscal Year Annual Research Report
除神経後高頻度電気刺激法による遊離骨格筋の形質転換と再生心大血管外科への応用
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15591496
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
森田 紀代造 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70174422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 洋高 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20307466)
宇野 吉雅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20256340)
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Keywords | 骨格筋グラフト / 遊離グラフト / 除神経 / 電気刺激 |
Research Abstract |
「除神経遊離骨格筋グラフト」の心臓大血管再生/再建術への応用に関する基礎的研究として除神経後の遊離骨格筋グラフトの筋細胞委縮の時間的変化の質的量的評価および慢性高頻度電気刺激法による筋委縮の防止効果と骨格筋形質転換効果、さらにそのための至適電気刺激条件の検討を行った。方法は体重10-20kgのビーグル犬を対象に広背筋の上腕骨付着近傍を剥離し支配神経である胸背神経を基部で切断した。予備実験の結果でこれら神経切断後1-2週では、完全に電気刺激に対する応答性は消失し、高電圧、高頻度のパースト電気刺激(25-50Hz trained-pulses 60/min)にも筋収縮を生じず、また組織学的にも神経源性筋委縮像を呈した。一方切断後3-4日の超急性期では筋収縮性は源弱するが、高電圧、高頻度のバースト電気刺激(25-50Hz trained-pulses 60/min、5V)に対する筋収縮性、収縮張力発生はある程度維持され、その程度は時間依存性である可能性が明らかになった。この結果を踏まえてこのような除神経骨格筋の直接筋刺激に至適な筋直接電気刺激用特殊電極を改良開発した。ついでビーグル犬(左側広背筋-実験側、右広背筋-対象)を対象に右側広背筋は除神経対象群として神経切断後電気刺激せず放置、一方除神経した左側広背筋に一対の特殊骨格筋刺激電極を装着し植え込み型ペースメーカーを接続し、刺激条件50Hz, trained-pulse 60/min 7Vtの慢性バースト刺激を4週間行い、電気的トレーニングを施行した。この結果高頻度電気刺激により筋収縮性、組織学的所見ともに有意に除神経に伴う障害の予防が可能で、遊離骨格筋グラフトのViabilityが温存されうることが示唆された。さらに電気刺激条件の至適条件の模索、条件設定を検討、今後広背筋による骨格筋ポンプ作成、工藤実験を予定中である。
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