2003 Fiscal Year Annual Research Report
モヤモヤ病血管壁細胞における情報伝達系異常と病因遺伝子
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15591510
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青柳 傑 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40134704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 英之 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (20334435)
脇本 浩明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30270507)
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Keywords | モヤモヤ病 / 血管平滑筋細胞 / IL-1 / p38MAPK / VEGF |
Research Abstract |
モヤモヤ病血管平滑筋細胞(SMC)はIL-1刺激に対し、対照SMCと比較し有意にCOX-2産生が亢進していた。これに伴い、モヤモヤSMCではPGE2が特異的に過剰産生された。IL-1刺激はMAPK、特にstress-activated MAPK(JNK, p38MAPK)を燐酸化し、この下流でCOX-2産生が刺激される。ERK1/2の抑制物質PD98059では、COX-2-PGE2産生は抑制されず、P38MAPK特異的阻害剤である、SB203580によりほとんど抑制された。JNKの燐酸化はモヤモヤ、対照SMCの間で差異が認めれなかったが、P38MAPKの燐酸化はモヤモヤSMCで有意に亢進していた。こうしたsignalingの異常の詳細を明らかにする目的でSMCを用いてIL-1刺激によるmRNAの変化をcDNA tipを用いて検討した。結果は解析中である。また、兄弟例でのリンパ球のcDNA tipの解析もおこなった。COX-2は血管新生因子の産生に関与していることが明らかにされている。こうした背景から、IL-1刺激によるモヤモヤSMCのVEGF産生を検討した。IL-1刺激により、モヤモヤSMCでは対照SMCの4倍に増加した。このVEGF産生はPD98059では抑制されず、SB203580,及びNS398によりほぼ完全に抑制された。またJNK阻害剤SP6000125では抑制されなかった。血管を構成する壁細胞、血管内皮、繊維芽細胞、平滑筋細胞のVEGF産生の制御を検討した。血管平滑筋細胞ではP38MAPK-COX-2にdependentでありJNKにindependentであったが、繊維芽細胞ではp38MAP, JNK にdependentであり、COX-2 independentであった。また、血管組織の免疫組織学的検討により、モヤモヤ病では明らかにSMCのVEGFの発現が亢進していた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Duan L, Aoyagi M et al.: "Impairment of both apoptotic and cytoprotective signalings in glioma cells resistant to the combined use of cisplatin and tumor necrosis factor."Clin Cancer Res. 10. 325-326 (2004)
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[Publications] Arai T, Ohno K, Takada Y, Aoyagi M, Hirakawa K.: "Neonatal craniopharyngioma and inference of tumor inception time : case report and review of the literature."Surg Neurol. 60. 254-259 (2003)
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[Publications] Hara M, Aoyagi M, et al.: "Rapid shrinkage of remnant central neurocytoma after gamma-knife radiosurgery : A case report."J Neuro-Oncol. 62. 269-273 (2003)
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[Publications] 松島善治, 前原健寿, 青柳傑: "小児モヤモヤ病に対する至適手術について"小児の脳神経. 28. 88-93 (2003)
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[Publications] 田中洋次, 青柳傑: "Gliuomaの手術におけるNavigation Systemの有用性 In:脳腫癌の外科、手術による根治性と神経機能"MC メディカ出版、坂井 昇編. 7 (2003)