2003 Fiscal Year Annual Research Report
生体およびヒトてんかん脳スライス標本による前頭葉、側頭葉辺緑系の機能局在の解析
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15591511
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
前原 健寿 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40211560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80291342)
佐々木 徹 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究施設, 研究員 (30158927)
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
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Keywords | 側頭葉てんかん / 前頭葉てんかん / 辺縁系 / 能スライス / PET / 光学的計測 / 複雑部分発作 / 外科治療 |
Research Abstract |
本年度は、7名の複雑部分発作の患者に頭蓋内電極留置術を行い発作時脳波を記録した上で、海馬を含む側頭葉切除を6名に行い、1名に前頭葉眼窩面の焦点切除を施行した。全例に術前、FDG-PET,中枢性ベンゾジアゼピン受容体に関連したPET計測を行い、6例にアデノシン受容体に関連したPET計測等を行い、脳回単位でMRIと重ねた機能画像を作成した。PETによる焦点診断は、側頭葉てんかんの6例では全例で焦点側と一致していた。追跡期間は短いが全例でseizure-freeであり、術前のPET検査が治療に有効であったことが示唆された。スライス標本を用いた光学的計測による実験、ポジトロン計測を6例に施行している。6例全例で、光学的計測あるいは、ポジトロン計測に成功していて、スライス標本を生きたままで研究するという体制が充分にそなえられたものと考えられた。この結果の一部は誌上報告した(裏面、雑誌発表参照) 今年度の最も大きな成果のひとつは、前頭葉性の複雑部分発作患者の発作時皮質脳波を硬膜下電極で記録したことである。難治性の前頭葉てんかん患者では、しばしば前頭洞が広く発達しているため、電極の挿入が困難である。今回の症例では前頭洞を広く開放した上で硬膜下電極を留置することで、発作開始時の律動性の徐波を左前頭葉眼窩面に見いだすことができた。同時に、前頭葉性の複雑部分発作でみられる激しい自動症の出現時にはpremotor cortexからmotor cortexにかけて律動性の徐波がひろがっていることが確認できた。側頭葉と前頭葉の辺縁系でみられる自動症がかたや静の自動症であり、かたや動の自動症である理由の一つを電気生理学的にみいだせたものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 前原健寿, 成相直, 佐藤勝重, 村越隆之, 大野喜久郎: "側頭葉切除における術中海馬脳波の有用性についての電気生理学的、病理学的検討"てんかん治療振興財団研究年報. 15. 111-116 (2003)
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[Publications] Maehara T, Nariai T, Arai N, Kawai K, Shimizu H. Ishii K, Ishiiwata K, Ohno K: "Usefulness of [11C]-methionine PET in the diagnosis of dysembryoplastic neuroepithelial tumor presenting with temporal lobe epilepsy"Epilepsia. 45. 41-45 (2004)
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[Publications] Nakamura M, Uchida S, Maehara T Kawai K, Hirai N, Nakabayashi T, Arakaki H, Okubo Y, Nishikawa T, Shimizu H: "Sleep spindles in human prefrontal cortex : an electrocorticographic study autoradiographic technique using[11c]choline."Neurosci Res. 245. 419-427 (2003)
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[Publications] Uchida S, Maehara T, Hirai N, Kawai K, Shimizu H: "theta Oscillation in the anterior cingulate and beta-1 oscillation in the medial temporal cortices : a human case report"J Clin Neurosci. 10. 371-374 (2003)