2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591517
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮地 茂 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00293697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠 賢一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (80293710)
岡本 剛 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (00345901)
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Keywords | 実験的動脈瘤 / リモデリング / 脳動脈瘤 / キトサン / ステント / 内皮カバードステント |
Research Abstract |
1)実施計画に則り犬の頸動脈に機械的に形成した動脈瘤について、キチンを脱アセチル化して作られたキトサンを瘤内に充填し、その組織学的変化を観察した。キトサンは紫外光照射により硬化する性質があり、その過程で瘤壁に何らかの変化をもたらすかどうかを観察した。その結果、瘤壁に対する作用として炎症性変化が認められたが、瘤内充填物質としてのキトサンの有用性は示された(成果については第63回日本脳神経外科学会総会、および第19回日本脳神経血管内治療学会にて報告)。キトサンを血管壁内へ注入することは困難であるため、現在他の組織破壊性物質を用いて、血管壁の脆弱性を高める実験を継続している。 2)側方突出型実験的動脈瘤に対するステントによる閉塞を行うために、ニチノール製の自己拡張型ステントにポリウレタン膜を貼り付けたカバードステントを作成した。基礎実験としてウレタンフィルム上に犬血管内皮細胞を播種し、インキュベーター内で接着させたところ、経時的観察にて生着はきわめて良好であった。また、ウレタンコーティングステント内面に播種して回転培養を行った結果は、48時間で十分名増殖が確認され、回転移動による剥離は少ないことが証明された。一方、血液に見立てた流体内での培養にても膜からの剥離は少なく、約20%の血管の伸展負荷を加えても脱落や退縮等の変化は少ないことがわかった。接着性は十分生体内応用に耐えうるという判断のもとに、独自に開発したステント留置用の6Fr.のデリバリーシステム用いて、犬の頸動脈に留置し現在長期開存性と組織学的変化を観察している。
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