2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591524
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳永 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40294467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 康之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00362997)
杉生 憲志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40325105)
伊達 勲 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70236785)
松井 利浩 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80362995)
西尾 晋作 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80325109)
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Keywords | 神経幹細胞 / 脳虚血 / 神経移植 / 神経保護 / ニューロンへの分化 |
Research Abstract |
脳虚血に対して神経回路の再構築や、ニューロンの再生を行うためには、神経移植や神経幹細胞を利用することが大切であると思われる。我々はこれまでマウスを用いた神経幹細胞の研究を行ってきた。そこで、まず、マウス以外の成体齧歯類や霊長類からも神経幹細胞を分離でき、より多くのニューロンへ分化できるかどうか検討した。成体ラットおよびニホンザルの側脳室周囲から神経幹細胞を分離培養した。取り出された神経幹細胞はneurosphere(神経塊)を形成し、約6か月間継代培養可能であった。また、神経幹細胞を分化させると多分化能(ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト)を有し、さらにBDNFなどのニューロン分化促進因子投与により、非投与群にくらべて、神経幹細胞は有意に多数のニューロンへの分化を示した。 次に、脳虚血モデルラットにおける梗塞巣の評価に、臨床で使用されている1.5T MRIを用いることができるかどうか検討した。特別なラット用のhead coilを作製し、一過性中大脳動脈閉塞モデルラットを経時的に梗塞巣の範囲を計測した。また、経時的に行動学的および免疫組織学的評価を行った。ニューロン脱落範囲とMRIのT2WIで示される梗塞範囲はほぼ一致し、また梗塞巣の広さとrotarod testやsylinder testなどによる行動学的評価はほぼ一致していた。MRIによる梗塞巣の評価は神経幹細胞脳内移植の効果を検討するのに有用であると思われる。また、興味あることに、T2-WIで高信号域が経時的に消失した部分に一致して、新生ニューロンを認め、梗塞巣の自己修復と内因性神経幹細胞の関連が示唆される。今後、内因性神経幹細胞を用いた脳虚血に対する治療も考えられ、神経幹細胞移植と同様に検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)