2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591524
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳永 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40294467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 勲 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
杉生 憲志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40325105)
三好 康之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
小野田 惠介 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20379837)
松井 利浩 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80362995)
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Keywords | 神経幹細胞 / GDNF / アデノウイルス / カスパーゼ / アポトーシス / GFRα / アストロサイト / N-CAM |
Research Abstract |
成体由来神経幹細胞にGDNFを過剰産生できるように遺伝子導入し、この細胞を脳虚血モデルラットに移植し神経保護を検討した。成体ラットの脳室下帯から採取した神経幹細胞をEGF存在下で培養し、移植可能な細胞数まで増殖させ、その細胞に対して、アデノウイルスを用いてGDNFの遺伝子を導入した。一過性中大脳動脈閉塞モデルラットに対して、この成体由来GDNF産生神経幹細胞を脳内移植した。この結果、脳梗塞境界領域のニューロンに対して神経保護を得ることができた。そのメカニズムとして、移植細胞から産生させるGDNFがニューロン上に存在するGFRαに作用し、ミトコンドリアを介するカスパーゼカスケードを抑制し、抗アポトーシス効果により神経保護効果が得られたと考えられた。また、移植した細胞の周囲に多くのアストロサイトが集積していたことから宿主の細胞から何らかの因子が産生されて、神経保護効果が得られた可能性も考えられる。現在その因子を検討中である。さらに、移植されたGDNF産生神経幹細胞は、コントロールの神経幹細胞より有意に大脳皮質に生着し、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトに分化していた。これは、生存した神経幹細胞からGDNF以外の神経栄養因子を産生し、神経保護効果を得たと考えられた。また、GDNF産生細胞は、有意に梗塞巣の方へ遊走していた。虚血巣周囲にN-CAMの強い発現があり、これに誘引物質となり遊走したと考えられる。来年度はこのメカニズムをさらに検討する予定である。
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Research Products
(3 results)