2003 Fiscal Year Annual Research Report
難治性てんかん治療を目的とした頭蓋内植え込み型大脳冷却装置の開発
Project/Area Number |
15591527
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤井 正美 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90181320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 俊 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10162207)
末廣 栄一 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10363110)
鈴木 倫保 山口大学, 医学部, 教授 (80196873)
中野 公彦 山口大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90325241)
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Keywords | てんかん / てんかん手術 / ペルチエ素子 / 大脳冷却 / 脳波 / 医用材料 / カイニン酸 / ラット |
Research Abstract |
てんかんは有病率が1000人に対し8人と決して稀な病気ではなく、その約20%は抗けいれん薬を投与しても発作が抑制できない難治性のてんかんである。その難治性てんかんに対し外科治療(大脳焦点部位切除手術)が行われているが、切除範囲に制限があり、すべての症例が適応となるわけではない。しかし近年実験的に大脳皮質を20℃程度に冷却することで、てんかん発作波が抑制されることが報告されている。従って大脳皮質を冷却するシステムが開発できれば、大脳を切除することなく発作の抑制が可能と考えられる。そこで今回我々は、現在てんかん手術で用いている脳波記録用頭蓋内電極に、ペルチェ素子からなる冷却装置を埋め込んだ医用材料を製作し、てんかんの治療に応用するシステムを開発する。 大脳冷却に薄型ペルチエ素子を使用する試みは過去に報告がなく、今回我々は水冷式超薄型ペルチエ素子を新しく考案した。そして今回考案した薄型冷却装置を用い、ラットにおいて実験的に大脳神経細胞の変性をきたさない至適冷却温度を検討した後、カイニン酸皮質内注入によりてんかんモデルを作成し、冷却により実際てんかん発作波の抑制が可能であることを証明した。 今後は硬膜下電極に冷却装置を組み込んだ医用材料を作成する。将来的にはこの装置を頭蓋内に植え込み、てんかん発作波を生じている部位を頭蓋内脳波により同定、発作波をトリガーとして、冷却装置にシグナルが伝達され、発作波を生じている脳表を冷却することによりてんかん発作を制御するシステムを構築することを目指す。
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Research Products
(1 results)