2003 Fiscal Year Annual Research Report
KIT分子を標的とした中枢神経系胚芽腫の診断と治療法の開発
Project/Area Number |
15591536
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
竹島 秀雄 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70244134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 宏文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00264416)
倉津 純一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20145296)
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Keywords | Germ cell tumor / Germinoma / Tumor marker / c-kit / s-kit / Stem cell factor |
Research Abstract |
胚細胞腫は、基本的に化学療法および放射線療法に対して感受性の高い腫瘍であり、中枢神経系には本来存在しないタンパク質、すなわち腫瘍マーカーとなりうるAFPやbeta-HCGなどのOncoproteinを潜在的に産生する。しかしながら、胚芽腫についてはまだ特異的な腫瘍マーカーの報告はなされていない。本研究の第1の目的は、新たな腫瘍マーカーを同定し、臨床応用を確立するすることで、手術による組織確認を必要とせず、放射線化学療法(neoadjuvant therapy)による治療戦略を可能とすることにある。本研究に先立って、我々は既にc-KIT受容体が、胚芽腫に高レベルに発現し、可溶型のs-kitの髄液中濃度が、腫瘍の組織型や臨床経過と強く相関することを報告していたが、本年度はまずこのことを裏付けるべく、さらに関連施設の協力により検体を増やし、s-kit濃度が、やはり腫瘍マーカーとして有用であることを、再確認した。 さらに、KIT受容体のリガンドであるstem cell factor(SCF)も同様にマーカーとなりうるかについても検討を加えた。まず、手術摘出標本16検体をもとに、免疫組織化学的にその発現を調べた。すると、SCFの発現パターンは、c-kitのそれと酷似しており、胚芽腫の全例で陽性像を示し、一部の成熟奇形種成分で弱陽性所見を示したものの、STGC成分では陰性であった。これを元に、本年度は髄液中のSCF濃度を測定し、s-kitと同様に腫瘍マーカーとしてふさわしいかどうかを確認する。
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[Publications] Takeshima H, Kaji M, Uchida H, Hirano H, Kuratsu J.: "Expression and distribution of c-kit receptor and its ligand in human CNS germ cell tumors."Brain Tumor Pathol. In press. (2004)