2003 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス法を用いた活性化マイクログリア制御による頭部外傷後神経変性防止の試み
Project/Area Number |
15591537
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
相原 徳孝 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00264739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 広之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30295612)
間瀬 光人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60238920)
山田 和雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90150341)
|
Keywords | 頭部外傷 / マイクログリア / アンチセンス / 神経変性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、頭部外傷直後に細胞傷害因子のアンチセンスを投与し、マイクログリアがらの細胞傷害因子の産生を抑制し神経変性を防止しようとするものである。そのため、本年度は、以前より研究を重ねてきたラットのび慢性軸索損傷モデルを用いて、頭部外傷モデルラットを作成した。ラットの頭部に金属製のヘルメットを装着させ、1.5mの高さより450グラムの金属の棒を落下させて衝撃を加えた。ラットは受傷直後は一時的に意識を消失するが、その後問題なく長期飼育が可能であった。しかしながら、受傷一ヶ月後に回転ドラム乗り学習能を調べると学習能は、健常ラットに比し著明に障害されており、外傷後神経変性による後遺症を反映していると考えられた。実際、ラットの脳を取り出し病理学的検索を行うと、銀染色やFluoroGold染色で神経が変性していく過程が確認された。また外傷後直後の早期発現遺伝子(c-fos,c-junなど)についての解析も行った。自発運動能を客観的に評価するためにビデオ画像行動解析装置(SMART)を実験施設に導入し、行動の解析を行っている。またマイクログリアが産制する脳由来神経栄養因子(BDNF)が、減少することにより別のモデル(脳出血後の神経変性モデル)で神経が変性することが確認されたので、外傷のモデルでも同様の機序で神経変性が起きる可能性推測された。すなわち、外傷などの神経損傷後の変性に、現在研究中であるマイクログリアが非常に大きな役割をはたしていることが予想できる。残念ながら、本年度に予定していたiNOSのアンチセンスの作成およびマイクロインフュージョンポンプの留置、iNOS遺伝子発現の抑制の確認はできておらず、平成16年度に引き続き行う予定である
|