2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞を用いた虚血脳における神経再生の基礎的研究
Project/Area Number |
15591555
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河本 圭司 関西医科大学, 医学部, 教授 (70077741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼 義博 関西医科大学, 医学部, 講師 (40208278)
安水 良知 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00142753)
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
吉村 晋一 関西医科大学, 医学部, 助手 (60298891)
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Keywords | regeneration / bone marrow / transplantation / ischemic brain |
Research Abstract |
再生医療の中で神経再生は不可能という時代から、最近になって神経移植・再生が注目されてきた。国内では岡野栄之らはES細胞を用いた神経細胞への分化・移植を行い、再生に向けて試みつつある。 平成15年度の実績 1.虚血脳のモデル作成 ラットを用いて一側の中大脳動脈閉塞実験を行い、完全閉塞するモデルは完成した。さらに一時遮断による虚血実験(バルーン挿入による)において虚血脳を作成することに成功した。肉眼的にも明らかに虚血巣がみられた。 2.骨髄幹細胞の採取と培養 GFP遺伝子トランスジェニックラットをすでに開発し、研究分担者の池原より提供を受けた。今までは成人ラットの長管骨の骨髄細胞を用いていたが、より未熟な幹細胞の採取のために、幼若なラットより骨組織を採取し、細切し、培養に成功した。幹細胞は生着していることが確認された。 3.骨髄幹細胞の分化能 骨髄幹細胞でも造血系と間葉系の細胞が混合しており、さらに間葉系細胞が神経系へ分化する細胞として必要となる。PDGF-Bやb-FGFを付加し、一部神経系に分化していることが確認され、継続中である。 4.FCMによる骨髄細胞のcell kineticsと細胞選択的分取 トランスジェニックラットの骨髄を培養し、PDGF-BB、b-FGFを加えた後、FCMでpropidium iodideによる核染色をし、細胞のDNA-histogramを作成し、これにより細胞のactivityを評価した。DNA-histogramにより細胞のactivityがあることが確認できた。 5.虚血脳への骨髄幹細胞移植 虚血脳へ骨髄幹細胞の移植をし、細胞が生着していることが確認されている。一部虚血巣が改善されていることがみられ、今後進展が期待される。 6.ES細胞については中国との協同研究にて進行中である。成果は論文に発表した。 これらの実験結果は日本脳神経外科学会、日本分子脳神経外科学会、日本病理学会に発表した。
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Research Products
(1 results)