2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する音響化学療法に関する臨床応用にむけての基礎的研究
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15591558
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
福島 武雄 福岡大学, 医学部, 教授 (10078735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正昭 福岡大学, 医学部, 助教授 (80240125)
野中 将 福岡大学, 医学部, 助手 (30352256)
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Keywords | 音響化学療法 / 集束型超音波 / horseradish perioxydase / EM study / LRP / 実験脳腫瘍 |
Research Abstract |
今回は音響化学療法の抗腫瘍効果に関して、実験脳腫瘍を作成し集束型超音波を用い検討した。 体重250〜300gのメスのウィスターラットを使用し、超音波照射強度を100w/cm^2-3分に設定した。音響化学物質としてローズベンガル10mg/kgを照射5分前に投与し、ラット脳に照射し、BBBを評価するため超音波照射15分前に2%エヴァンスブルー溶液2ml/kgを投与し、照射0.5〜1時間後に2.5%グルタール液で脳を潅流固定し摘出する。またトレーサーとしてhorseradish perioxidaseを照射5分前に投与しBBBを評価した。照射中心で冠状に脳を切り出し、2.5%グルタール液で固定後照射中心部と辺縁部で1×2×1mmの矢頭状の試料を切り出し、2.5%グルタール液で前固定、1%オスミウム酸液で後固定し、洗浄、エタノールで脱水して、樹脂に包埋後、超薄切切片を作製し透過型電子顕微鏡により検討した。照射中心部の毛細血管内皮細胞の細胞質の膨化、飲み込み小胞の増加、細胞膜の断裂があり、HPRの細胞内流入の所見があった。2)音響化学療法耐性脳腫瘍の検討は、LRPを発現しているU251、U105LRPおよびLRP発現のないU105細胞をヌードラットの脳内に埋め込み脳腫瘍を作成し、植え込み2週間後にphotofrin腹腔内投与と併用した開頭定位的集束型超音波照射を行った。照射の条件は、正常脳には影響がなく、腫瘍に効果的な25W/cm^2、5分間の照射とした。4週間後にラットをサクリファイして脳腫瘍の大きさを計測し、抗腫瘍効果を確認した。評価は組織学的に行なった。LRP発現の有無により抗腫瘍効果に差がみられLPR発現群で腫瘍の縮小は顕著であった。腫瘍組織でのLRPの発現を免疫染色、RT-PCR法で今後確認する。LPRの発現の有無が治療感受性に関与することが示唆された。
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