2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規軟骨分化制御因子cGK2シグナルの骨再正における機能解析とその標的分子の同定
Project/Area Number |
15591566
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30345219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
鄭 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30345053)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 教務職員 (40361498)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80322759)
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Keywords | cGKII / 成長板 / 軟骨分化 / Sox9 |
Research Abstract |
cGK2アデノウイルスベクターの作成 cGK2のアデノウイルスベクターを作成した。野生型の他に、キナーゼドメインを欠失する変異体のウイルスも作成し、発現をウエスタンプロットで確認するとともに、代表的な基質を用いてキナーゼアッセイを行い機能を確認した。 cGK2の標的分子の同定 cGK2標的分子の同定のためマウスATDC5細胞株を用いて標的蛋白の探索を行った。軟骨分化を制御する因子を網羅して、cGK2刺激によりリン酸化される蛋白をサーチしたところ、核内転写因子であるSox9が候補に挙がった。Sox9は、cGK2の共存下でII型コラーゲンの転写誘導機能が弱まることが観察された。このcGK2の効果は、キナーゼドメインを介していた。Sox9側のリン酸化部位に関しては、その配列からS181が候補部位としてあがった。この部分のリン酸化はcGK2の共発現で増加し、S181に変異を導入するとリン酸化は消失したが、驚いたことにII型コラーゲン遺伝子の誘導に見られるSox9の機能には影響がなかった。そこでSox9の細胞内局在を調べた所、Sox9はcGK2の共存下では、核内から細胞質へとその局在が変化するのが観察された。強制的に核に局在するように変異を加えたSox9は、cGK2の共発現による機能の減弱が見られず、II型コラーゲンの転写を強力に誘導した。 そのほか軟骨の肥大分化に関与が指摘されているPTH/PTHrPシグナル経路、BMPシグナル経路に対するcGK2の効果を観察したが、いずれも影響はなかった。
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