2004 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント固定に耐え得る新しい生体活性骨セメントの開発
Project/Area Number |
15591574
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川那辺 圭一 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20273451)
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Keywords | 骨セメント / 生体活性 / 酸化チタン / 骨親和性 / 骨伝導能 |
Research Abstract |
近年優れた生体活性を示すことが判ってきた酸化チタンは、生体親和性に優れ、溶解性が無く、これとポリメチルメタクリレート(PMMA)を組み合わせることによって、強度劣化しない生体活性骨セメントを作製し、インプラント固定のみならず、椎体などへの骨補填材料としての応用も期待されている。これまでアナタース型の結晶構造を持つ¢200nmの酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメントの開発を行ってきたが、酸化チタン微粒子のセメント内での分散が不十分な為に、強度及び生体活性がインプラント固定には不十分と考えられた。そこで、新たに¢2μmの酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメントを開発した。、この微粒子はアナタース型とルチル型の結晶構造をほぼ等量含むもので、高い生体活性を示すものである。この酸化チタン微粒子をシラン処理後、PMMAに重量比で50%と56%加えたセメント(ST2-50c,ST2-56c)を作成し、その力学的強度及び生体内での骨親和性、骨伝道能を調べた。骨親和性、骨伝道能の評価は、ラットの脛骨骨髄内にセメントを埋め込み、周囲の骨との反応をみることにより行った。力学的強度に関しては、ST2-50c、ST2-56cとも圧縮強度はPMMAより優れ、曲げ強度はPMMAと同等であった。骨伝導能に関しては、セメント埋め込み後6週、12週、26週の時点において、ST2-56cがST2-50cより有意に優れ、¢200nmの酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメント(ST60c)よりも有意に優れていた。今後さらに¢300nmのルチル型の酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメントも作成して、骨親和性、骨伝導能の評価を行い、以上の結果を総合して臨床応用可能な生体活性骨セメントの開発と実験を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)