2003 Fiscal Year Annual Research Report
四肢(手、足)同種移植の実験的研究―移植された四肢の機能回復と遺伝子導入ラットを用いた細胞再構築(キメラ現象)の解析
Project/Area Number |
15591578
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村松 慶一 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10322249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重冨 充則 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (30284251)
伊原 公一郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (90184788)
河合 伸也 山口大学, 医学部, 教授 (70034965)
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Keywords | 四肢移植 / 免疫寛容 / キメリズム / トランスゲニックラット / PCR / 運動器 |
Research Abstract |
小林英司先生等(自治医科大学臓器置換研究部)が開発したGFP transgenic rat (green fluorescent protein wister rat)を譲り受け、本動物実験施設にて、female Wister rat (wild type)と交配し、hetero type F1約100匹を得た。このF1を用いてまずGFP transgenic ratの特性を調査した。GFPは、489nm程度の励起光を照射すると、特有の緑色蛍光色を呈する。袴田ら(自治医科大学動物資源開発プロジェクト)の報告では、GFP geneをtransgeneされたラットは、ユビキタス(至る所)に緑色蛍光を発し、そのため移植モデルとしての利用に適しているとして述べている。しかし、実際は、緑色蛍光の発光は臓器特異的、組織特異的であり、励起光を一様に照射しても発光を呈する臓器と呈さない臓器、同一臓器内でも発光を呈する組織と呈さない組織が存在した。(発光が明らかな臓器:骨格筋、心筋、毛根細胞、精巣、等。発光がわずかかほとんどない臓器:骨、脂肪組織、肺、肝臓、腸管粘膜、リンパ節、等。PCR法を用いてGFP蛋白陽性細胞を検出する方法は、緑色蛍光の発光量に関係なく利用可能であり、我々は、骨、皮膚、リンパ節、骨格筋についてGFP遺伝子を検出しえた。 現在我々は、このGFP transgenic ratを用いて、四肢移植モデルを作成し、移植後のsystemic chimerismについて検討している。既に移植手術は完了しており、移植後の変化を観察するため待機中である。前述のとおり、GFP緑色蛍光はマクロレベルでは容易に観察が可能であるが、細胞レベルでの検出は、臓器固有の自家蛍光のため確認が困難であるため、免疫染色法、蛍光顕微鏡像、PCR法をあわせ、統合的に検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Muramatsu K: "Fate of donor cell in vascularized bone grafts"Plastic and reconstructive surgery. 111(2). 763-72 (2003)
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[Publications] Muramatsu K: "Behavior of male-specific antigen in limb transplantation"Journal of surgical research. 115(1). 106-12 (2003)