2003 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧自然発症ラットに発生する大腿骨頭壊死の血管内皮に関する病理及び薬理学的研究
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15591590
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熊谷 謙治 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00315235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 正美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20136641)
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Keywords | 易卒中高血圧ラット・ナガサキ / 大腿骨頭壊死 / 高脂血症 / ステロイドホルモン負荷 / 脂肪細胞増生 / 脂肪細胞変性 / Apoptosis / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
SHRSP/NgskにNOS阻害剤含有高コレステロール飼料(HFC食)とSteroid Hormoneを投与し、大腿骨頭壊死の動態を察した。 FC食群では総コレステロール値とLDL値が著高していた。Steroid Hormone投与群では総コレステロール値の上昇は軽度であったがHDL値、トリグリセライド値は上昇していた。組織学的には壊死発生頻度はcontrol群に比べ、HFC食群、Steroid Hormone投与群、HFC食Steroid+Hormone投与群で高い傾向があった。 control群に比べSteroid Hormone投与群とHFC食群ではepiphysis、metaphysis骨髄内の脂肪細胞の増加、膨化が著しく、骨髄内を脂肪細胞が広く占拠していた。その脂肪細胞は変性した部もあり壊死への移行を示唆していた。 骨壊死の有無と脂肪細胞の増生、変性に注目したStage検討ではcontrol群、HFC食群、Steroid Hormone投与群、FC食+ Steroid Hormone投与群で有意差がみられた。Apoptosisに着目してみるとepiphysisのみならず壊死周辺の大腿骨頸部にも発現していた。また脂肪細胞は変性した部に発現が増加しており壊死への移行を示唆していた。 酸化stressはSteroid Hormone投与+HFC食群で著しいことが窺われた。 また高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)、ウィスター京都ラット(WKY/Izm)も同様な処置を行うと、SHRSP/Izmは、SHRSP/Nagasakiと同様な結果であったが、SHR/Izm、WKY/Izmの反応は軽微であった。現在、幼弱な骨髄内の血管内皮細胞の培養樹立を試みており、またstrain間の血管内皮細胞のmRNAレベルでの発現の差異をアッセイ中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 村田雅和, 熊谷謙治, 鈴木暢彦, 諸岡聡, 進藤裕幸, 田中克己: "上腕骨近位骨肉腫に対しScapular flapを用いて再建した1例"整形外科と災害外科. 52巻4号. 738-741 (2003)
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[Publications] 諸岡聡, 弦本敏行, 松本智子, 熊谷謙治, 鈴木暢彦, 村田雅和, 進藤裕幸: "SAPHO症候群の2例"整形外科と災害外科. 52巻4号. 707-711 (2003)
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[Publications] 伊達武利, 熊谷謙治, 進藤裕幸, 平野徹, 今村宏太郎: "上腕骨近位部に発生したParosteal lipomaと思われた一例"整形外科と災害外科. 52巻1号. 181-184 (2003)
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[Publications] 熊谷謙治, 村田雅和, 鈴木暢彦, 丹羽正美, 進藤裕幸: "SHRSPを利用した大腿骨頭壊死研究-NOS阻害薬とステロイドホルモン負荷-"厚生労働省特定疾患対策研究事業 骨・関節系調査研究班 特発性大腿骨頭壊死症調査研究分科会 平成14年度研究報告書. 17-21 (2003)
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[Publications] K.Kumagai, M.Suzuki, M.Wada, M.Murata, M.Niwa, H.Shindo: "Study for Osteonecrosis of Femoral Head in Stroke-Prone Spontaneously Hypertensive Rats with Hyperlipemia"Clinical and Experimental Hypertension. 25・5. 316-317 (2003)