2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラット骨軟部腫瘍における酸素分圧の不均一性と腫瘍細胞への影響
Project/Area Number |
15591596
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
朴木 寛弥 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40336863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (70145845)
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Keywords | 骨肉腫 / 悪性線維性組織球腫 / tyrosine kinase inhibitor / CDK inhibitor / 2-methoxyestradiol / histone deasethylase inhibitor / mitochondria / hypoxia inducible factor |
Research Abstract |
1)ラット骨肉腫およびMFH細胞に対するtyrosine kinase inhibitor STI571の効果 ラット骨肉腫およびMFH細胞に対しtyrosine kinase inhibitor STI571は、いずれの細胞株に対しても、濃度・時間依存性に増殖抑制効果を示した。抑制率は、10μM・72時間処置で骨肉腫が約20%にとどまったのに対し、MFHでは約40%の抑制効果を認めた。関連するtyrosine kinaseの発現を検索したところ、PDGFRαの発現がMFHで有意に高かったのに比しPDGFRβ発現は同等に認め、c-kit発現はいずれにおいても認められなかった。 2)ラット骨肉腫、MFHおよび肺腺癌細胞におけるp16^<INK4a>発現とflavopiridol(HMR1275)の効果 ラット骨肉腫およびMFH細胞ではp16^<INK4a>発現を認めたが、肺腺癌細胞では発現は認められなかった。Methylation specific-PCRでは、肺腺癌にのみmethylated DNAを認め、bisulfite sequencingでは骨肉腫細胞でcoding regionのすぐ上流のCpG islandsが高メチル化されているのに対し、肺腺癌においてはTATA box近傍のCpG islandsが一貫してメチル化されていた。いずれの細胞に対してもflavopiridol(HMR1275)は時間・濃度依存性に増殖を抑制したが、p16^<INK4a>の発現を認めない肺腺癌細胞に対する効果が最も強く300nM-72時間処置で増殖抑制率は約80%に達し、骨肉腫、MFHに対しても約60%の抑制率を示した。肺腺癌、骨肉腫に対しては、5-aza 2'-deoxycytidineによるP16^<INK4a>inductionにより、100nMの濃度で500nMに匹敵する効果が得られた。 3)ラット骨肉腫およびMFH細胞に対する2-methoxyestradiol及びhistone deasethylase inhibitorの効果 いすれの薬剤も濃度・時間依存性に細胞増殖を抑制した。現在、その抑制メカニズムと上記薬剤も含めてhypoxia inducible factorの発現変化に関し検討を重ねている。
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Research Products
(5 results)