2004 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板変性の治療に対する骨髄間葉系幹細胞移植療法の検討
Project/Area Number |
15591605
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
野村 武 東海大学, 医学部, 講師 (60246121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 譲治 東海大学, 医学部, 教授 (50174347)
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Keywords | 椎間板変性 / 髄核細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 / 細胞移植療法 |
Research Abstract |
家兎の椎間板変性モデルに対し自家骨髄間葉系幹細胞を椎間板内細胞移植し、その後の椎間板変性の抑制効果について検討しました。評価項目としてレントゲン写真による椎間板高の変化、腰椎矢状断のT2MRI像による椎間板の輝度変化、移植後2,4,8,16,24週時の椎間板の肉眼的所見、HE、safranine染色による組織学区的検討をしましたが全ての項目で椎間板変性の進行を遅らせることが確認されました。また、免疫組織学区的にLacZでマーキングした移植細胞の椎間板内での生存を確認しました。また、移植した幹細胞のcell viabilityに関しては移植椎間板の切片をアグリカン、II型コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸で蛍光染色し移植細胞が軟骨系に分化していることが解かりました。そして、現在髄核の特異的マーカーとして報告されているHIF1α、GLUT1,MMP2を移植細胞が産生していることも免疫染色にて確認しました。これにより、間葉系幹細胞は自家椎間板内で髄核細胞に十分に分化が可能であることが示唆されました。それを受けて家兎の自家間葉系幹細胞と髄核細胞を体外で共培養することで間葉系幹細胞を髄核細胞へ分化させる実験も始めました。結果は培養中の細胞を免疫染色するとアグリカン、II型コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸の陽性細胞を認め、PCRによるRNAの遺伝子発現も同様に上昇していることが解かりました。我々の最終的な目標として自家間葉系幹細胞を採取し、体外にて髄核方向に分化させたあと移植するのが最も望ましい形と思えますが、臨床応用を考えると自家正常髄核細胞を得る手段、髄核方向に分化させる成長因子の発見等の課題も列挙されます。また、同種移植で免疫反応については移植椎間板のCD4とCD58の免疫染色により陽性細胞を認めないことから無血管組織である椎間板の免疫特権が示唆されました。細胞移植療法において自家骨髄間葉系幹細胞はとても有用なcell sourceであり椎間板の再生医療における重要な要素であることから今後更に研究を推進していきます。なお、この研究成果については国内外の学会にて発表し高い評価を得ており、ゴードンカンファレンスでの発表の機会も頂きました。
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Research Products
(2 results)