2003 Fiscal Year Annual Research Report
亜酸化窒素を用いたノルエピネフリン作動性下行性抑制系の作用機序の探求
Project/Area Number |
15591613
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 聡一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40281810)
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Keywords | 下行性抑制系 / 亜酸化窒素 / c-Fos / ノルエピネフリン産生細胞 / 脊髄 / 青斑核 |
Research Abstract |
本年度の計画は,ラット脳幹部のノルエピネフリン産生細胞を選択的に除去し,その上で亜酸化窒素に暴露し,脊髄でc-Fosが発現するかどうかをみるというものである。 脳幹部のノルエピネフリン産生細胞の選択的除去を行うために,ラットの側脳室内にanti-dopamine β-hydroxylase-saporin(DβH-saporin)を投与して,ノルエピネフリン産生細胞を選択的に破壊する必要がある。このため既存の脳脊髄固定装置で麻酔下のラットを固定し,備品として購入したマイクロシリンジポンプを使用して脳室内に薬物投与を試みている。まず手技を確立するために,色素を脳室内に投与しそれが確実に脳室内に注入されることを確認している。試行錯誤を重ねることで,効率的に脳室内に投与する手技は確立した。現在,DβH-saporihの投与を行い,青斑核,A5核,A7核などのノルエピネフリン産生細胞が破壊されることを確認している。 これと平行して,脳幹部のノルエピネフリン産生細胞を,抗tyrosine hydroxylase抗体を用いた免疫組織染色で染色する方法と,脊髄のc-Fos陽性細胞を抗c-Fos抗体を用いて染色する手法,およぴ,脊髄のGABA産生細胞を染色する手技も確立した。脊髄のc-Fos陽性細胞とGABA産生細胞の二重染色,脳幹部のノルエピネフリン産生細胞とc-Fos陽性細胞の二重染色の手技も確立した。染色した組織標本は既存のCCDカメラ付き顕微鏡システムで記録し,備品として購入したコンピュータで画像解析している。 来年度は以上の手技を利用して,計画に基づいて研究をすすめる。
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