2003 Fiscal Year Annual Research Report
蘇生後脳障害におけるα2アゴニストと低体温の併用効果に関する研究
Project/Area Number |
15591615
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
田中 誠 秋田大学, 医学部, 助教授 (50236634)
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
|
Keywords | 蘇生後脳障害 / α2アゴニスト / デキサメデトミジン / 低体温 |
Research Abstract |
ラット窒息性心停止モデルを用いてデキサメデトミジン(Dex)と低体温併用療法の脳保護効果を検討した。雄Sprague-Dawleyラット16匹をハロタンで麻酔導入後気管挿管し、大腿静脈および尾動脈にカテーテルを留置した。脳血流量をレーザー血流計にて測定した。対照(C)群(生食1ml/kg、側頭筋温・直腸温37.5℃)、Dex(D)群(Dex10μg/kg、37.5℃)群、低体温(H)群(生食1ml/kg、35℃)、およびDex+低体温(DH)群(Dex 10μg/kg、35℃)の4群(各群n=4)に分け、Dexまたは生食腹腔内投与30分後に、呼吸回路を閉塞し心停止(平均動脈圧20mmHg未満)に至らしめた。5分間の呼吸停止後、人工呼吸再開と同時にエピネフリン0.01mg/kgを投与後、閉胸式心マッサージを行い自己心拍を再開させた。自己心拍再開24、48時間及び72時間後に神経学的検査(Neurologic Deficit Score(NDS):0=脳死、80=正常)を行った後、脳を灌流固定し、脳冠状切片をHE染色した。海馬CA1の生存・死亡細胞数を調べた。呼吸停止後、平均188秒で平均動脈圧が20mmHgまで低下した。NDSはいずれの時点でも群間で有意差はなく、72時間後のNDSの平均値はC群=72、D群=79、H群=79、DH群=80であった。海馬CA1細胞の生存率は、C群=33%、D群=14%、H群=58%、DH群=49%であり、D群とH群の間に有意差を認めた。結論として、心停止30分前のデキサメデトミジン10μg/kg腹腔内投与は、脳保護効果を示さず、デキサメデトミジンと低体温の併用は、低体温単独療法の脳保護効果を増強させなかった。
|