2005 Fiscal Year Annual Research Report
蘇生後脳障害におけるα2アゴニストと低体温の併用効果に関する研究
Project/Area Number |
15591615
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
木村 哲 秋田大学, 医学部, 助手 (00312702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
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Keywords | 循環停止 / 脳虚血 / グルタミン酸 / デクスメデトミジン / α2アゴニスト / 低体温 |
Research Abstract |
【目的】ラット窒息性循環停止モデルを用いてデクスメデトミジン(Dex)-低体温併用療法が脳内グルタミン酸濃度変化に及ぼす効果を検討した。【方法】雄SDラット20匹を対照(C)群(生理食塩水1ml/kg、側頭筋温37.5℃)、Dex(D)群(Dex 10μg/kg、37.5℃)群、低体温(H)群(生理食塩水1ml/kg、35℃)、およびDex-低体温(DH)群(Dex 10 μg/kg、35℃)の4群(各群n=5)に分けた。脳定位的にマイクロダイアリシスプローブを線条体に刺入した。Dexまたは生理食塩水の腹腔内投与30分後に、呼吸回路を閉塞し循環停止に至らしめた。5分間の呼吸停止後、人工呼吸再開と同時にエピネフリンおよび重炭酸ナトリウムを投与し、閉胸式心マッサージを行い自己心拍を再開させた。低体温は循環停止から60分後まで維持した。循環停止30分前から60分後まで、10分毎に透析液を採取しグルタミン酸濃度を測定した。統計解析は分散分析で行った。【結果】すべてのラットにおいて呼吸停止後180±21(平均±標準偏差)秒で循環停止となったが、循環停止に至るまでの時間に群間差は認めなかった。循環停止前のグルタミン酸濃度は、C群=0.47±0.41、D群=0.37±0.30、H群=0.54±0,56、DH群=0.83±20.44(pmol/μl)であり、群間に有意差を認めなかった。循環停止後10〜20分間にすべてのラットで一過性のグルタミン酸濃度上昇を認めた。グルタミン酸濃度の最大値は、C群=4.43±0.76、D群=3.81±2.32、H群=1.62±0.74、DH群=3.24±1.44(pmol/μl)であり、群間に有意差を認めなかった。【結論】デクスメデトミジンおよび低体温は、窒息性循環停止による脳内グルタミン酸濃度変化に影響を及ぼさなかった。
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