2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳低温療法による内在性神経幹細胞活性化の基礎的研究
Project/Area Number |
15591641
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢野 敏之 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50253729)
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Keywords | ependymal cell / hypothermia / cerebral ischemia / stem cell |
Research Abstract |
平成15年度は,まず小動物用の体温フィードバック機能を有する全身の冷却・加温システムを作製し,ターゲットとなる脳温(側頭筋温で代用)を速やかに目標温度まで冷却加温でき,安定して維持可能かについて予備実験を行い検討した。データ取得カード(NI-DAQ Card, National Instrument社)をコンピュータに装着し,計測ソフトウェア(LabView, National Instrument社)をインストールして,生理学的データ(側頭筋温,直腸音,平均動脈圧,脳血流量)取得のためのプログラムを作成した。体温制御にはGaymar社のMeditherm (Automatic/manual-hyper/hypothermia)を用いた。10匹のラットを対象とした。ラットを麻酔し,レーザードップラー脳血流計を脳硬膜表面に装着した後,大腿動脈にカテーテル留置し動脈圧測定および採血可能にした。側頭筋および直腸に体温プローブを挿入し,側頭筋温プローブはMedithermに接続して体温制御に用いた。Medithermをautomatic modeとし,ラット側頭筋温のコントロール値を37.5℃として恒常的に維持できるかを調べたところ,37.5±0.5℃で安定して維持可能であった。次に目標温を32.5℃に設定すると,約15分で設定温に到達し,その後は32.5±0.5℃に安定して維持された。さらに,37.5℃を目標に再加温を行うと,約15分で目標温にまで加温され,その後は37.5±0.5℃で維持された。また直腸温の側頭筋温への追従性は良好であった。 予備実験結果を踏まえ,正常(非脳虚血)ラット側脳室に脳室上衣細胞マーカーであるDiIを注入し,脳低温療法を行い,上衣細胞の時間的,空間的動態を検討する実験を現在遂行中である。
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