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2003 Fiscal Year Annual Research Report

エネルギー代謝から見た神経組織の呼吸性アシドーシス耐性獲得メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 15591642
Research Institution大分医科大学

Principal Investigator

北野 敬明  大分大学, 医学部, 助教授 (20211196)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山田 直子(西丸 直子)  大分大学, 医学部, 助教授 (60101086)
Keywords高炭酸アシドーシス / 燐核磁気共鳴法 / 乳酸 / 脳スライス
Research Abstract

大分医科大学に設置されているNMR装置(Bruker社製AMX300WB)を用いて、ラット全脳スライス標本から高エネルギーリン酸スペクトルを長時間(約12時間)にわたり測定している。
脳虚血時には低酸素、好気的糖代謝障害によるATP枯渇、そして細胞内アシドーシスが生じている。細胞内アシドーシスは虚血後の一病態として重要であり、この病態のメカニズム解明は、脳虚血耐性現象メカニズムの解明に役立つと考えられる。現在、高炭酸ガス環境下で全脳スライスを細胞内アシドーシスで前処置した後に、2回目の高炭酸アシドーシスを負荷した状態で、高エネルギー燐酸化合物のクレアチン燐酸、ATP濃度低下が防げるかどうかを現在検討している。二酸化炭素は細胞膜を容易に通過して重炭酸となり細胞内pHを低下することが知られている。灌流人工髄液内のCO_2分圧を5%(細胞外pH=7.4,細胞内pH=7.3)から40%(細胞外pH=6.7,細胞内pH=6.6)まで低下させた場合、クレアチン燐酸は対照値(CO_2=5%)の40%程度に低下したものが、一度前もってCO_2=40%で前処置した脳スライスではクレアチン燐酸は対照値の60%程度までしか低下しなかった。この事から、虚血前負荷と同様に、高炭酸アシドーシス前負荷ラット全脳スライスにおいては、引き続く高炭酸アシドーシス時に高エネルギー燐酸の低下を防ぐメカニズムを獲得した事が示唆された。
現在さらに、虚血耐性現象の誘導薬物3-nitorpropionic acid(3-NPA)をNMR測定48時間前に20mg/kg腹腔内投与したラットより摘出した脳スライスを用いた、乳酸利用能を検討している。これは脳スライスにグリア阻害薬であるフルオロ酢酸を作用させてニューロン単独で乳酸がエネルギー基質としてクレアチン燐酸生成基質として利用できるかを検討している。現在、通常ではエネルギー基質として利用できない乳酸が3-NPA前処置で乳酸が部分的にクレアチン燐酸生成基質として利用できる結果が得られている。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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