2005 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンおよびPKCによる神経系ATP感受性Kチャネルの機能調節とその意義
Project/Area Number |
15591651
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 富男 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00193110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後 憲之 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00363797)
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Keywords | ATP感受性Kチャネル / ニューロン / 黒質 / アデノシン / 虚血再潅流 / ミトコンドリア / 活性酸素 |
Research Abstract |
細胞膜ATP感受性Kチャネルに関する研究 あらかじめ虚血負荷を加えた脳スライスにおいて同チャネルを介する膜電流などの変化を検討した。ブドウ糖を同じ濃度のショ糖に置換した潅流液をあらかじめ95%窒素、5%炭酸ガスで長時間バブリングしておき、無酸素無グルコース溶液を作成した。この溶液に95%窒素、5%炭酸ガスで平衡させながら、3,5,15,30分間脳スライスをインキュベートし、その後ブドウ糖を含み95%酸素、5%炭酸ガスと平衡した溶液に戻し、60、90,120分間再酸素化した。この状態で黒質緻密層ドパミンニューロンよりwhole cell voltage clamp法を用い、ピペット内液ATP濃度1mMにおいて膜電流の変化を測定した。約15分間膜電流を観察したが、明らかな変化はみられず、細胞膜ATP感受性Kチャネルの開口は認められなかった。この結果は、上記の虚血負荷によって、細胞膜ATP感受性KチャネルのATP感受性が低下して、同チャネルの開口が促進するという仮説が指示されなかったことを示す。 ミトコンドリアATP感受性Kチャネルに関する研究 ラット大脳皮質一次培養細胞において、無血清培養により皮質ニューロンを主体とした培養系を確立した。Hydroethidine(Het)をプローブとして活性酸素のうちのsuperoxide anionと反応して発生する蛍光の強度の変化を記録した。ミトコンドリアKATPチャネルを活性化すると考えられる揮発性麻酔薬であるイソフルレンを潅流液に加えると、対照群に比べてHet由来の蛍光強度の増加が増強しており、この変化は同チャネルの阻害薬である5-hydroxydecanoic acid(5-HD)によって抑制された。したがって、本測定系はミトコンドリアKATPチャネルの開口を間接的に反映していると考えられた。
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Research Products
(1 results)