2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳における水チャネル(アクアポリン)の機能調節と脳浮腫
Project/Area Number |
15591652
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
勝屋 弘忠 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20040561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90264738)
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Keywords | 脳浮腫 / アクアポリン / アストロサイト / 中枢神経 / 蛋白結合蛋白 / 培養細胞 |
Research Abstract |
脳浮腫は頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍など様々な病態に随伴して発症し、しばしば致命的となる。その病態は、アストロサイト(星状細胞:Ast>の膨化(水の移動による)とそれに伴う二次的神経細胞死と考えられている。また、これまでの報告や申請者らの研究により、水チャネルであるアクアポリン(AQP)が脳浮腫に関与している可能性は示唆されているが、その発生機構は十分に解明されていないのが現状である。本研究では、正常AstにおけるAQPの機能調節機構に関して、AQP結合蛋白質に注目し、結合蛋白の同定を行う。さらには、病的状態(脳浮腫)におけるAQPの発現変化と結合蛋白との関係を詳細に検討することにより、AQP発現の調節を主眼においた脳浮腫発生機構の解明を目指す。 平成15年度の研究目標は、1.AQP結合蛋白の検索、2.AQPとAQP結合蛋白の結合の細胞内における確認、以上2点を掲げた。 1.AQP結合蛋白の検索 AQP機能を調節するAQP結合分子の検索はyeast two-hybrid法とantibody array法の2種類により行った。Antibody array法により、強い結合を示すAQP結合分子が2種類、やや弱い結合を示すAQP結合分子が1種類同定できた。Yeast two-hybrid法では現在のところ有望な候補は発見できていない。 2.AQPとAQP結合蛋白の結合の細胞内における確認 1.により得られたAQP結合分子の候補について、実際に細胞内においてAQPと結合しているかどうか検討を行っている。3種類の候補のうち、少なくとも2種類はAQPと結合している可能性が示唆された。 以上、AQPに結合する新たな分子を選出することができ、今後の研究の発展が期待できる。来年度は、これら候補分子についてさらに詳しく検討し、どのようにAQPの機能を調節しているのかを検討したい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arima H: "Hyperosmotic mannitol stimulates expression of aquaporin 4 and 9 through a p38 mitogen activated kinase-dependent pathway in rat astrocytes."J.Biol.Chem.. 278. 44525-44534 (2003)
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[Publications] Fujita Y: "Effect of Mild Hypothermia on the Expression of Aquaporin Family in Cultured Rat Astrocytes under Hypoxic Condition."Neurosci.Res.. 47. 437-444 (2003)
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[Publications] Kawai Y: "Structure and promoter activity of the human glia maturation factor-gamma gene : a TATA-less, GC-rich and bidirectional promoter."Biochim.Biophys.Acta. 1625. 246-252 (2003)
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[Publications] Arima H: "Transient and reversible parkinsonism after acute organophosphate poisoning."J.Toxicol.Clin.Toxicol.. 41. 67-70 (2003)
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[Publications] Nojiri S: "ATBF1 enhances the suppression of STAT3 signaling by interaction with PIAS3"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 314. 97-103 (2004)
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[Publications] Inagaki M: "Sensitive immunoassays for human and rat GMFB and GMFG, tissue distribution and age-related changes."Biochim.Biophys.Acta. 1670. 208-216 (2004)