2004 Fiscal Year Annual Research Report
NF-κBおよび接着分子のショック時の関与:機序解明と治療法の開発
Project/Area Number |
15591661
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小森 万希子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60178332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 勝美 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20075609)
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
尾崎 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
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Keywords | アナフィラキシーショック / 出血性ショック / 敗血症性ショック / NF-κB / 微小循環 / 透明窓 / Urinary Trypsin Inhibitor / 輸液蘇生 |
Research Abstract |
各種ショック時にはライソゾーム膜が破壊され、種々の蛋白分解酵素が血中に放出され、循環系の異常だけでなく、組織の微小循環障害ならびに各種代謝異常を伴う全身反応が起こる。微小循環とは細動脈、毛細血管、細静脈を含めた血管床であり、血管系の90%以上を占め体内の物質交換と新陳代謝を営む重要な場である。ショック時の微小循環を維持することによって死亡率を低下することができる。まず、アナフィラキシーショックについては、家兎の全身型凝集性アナフィラキシーモデルを用いて循環抑制、気管支痙攣および微小循環障害を観察した。蛋白分解酵素の阻害作用を有し抗ショック作用のあるUrinary Trypsin Inhibitor (UTI)を投与し、その有効性を検討した。対象は耳介に透明窓を装着した家兎を用いた。透明窓を生体顕微鏡下に固定し、血管径20-100μmの細動脈を選び顕微鏡用ビデオカメラで記録、観察した。UTI投与群では有意に気道内圧上昇が抑制され、細動脈の血流が維持され、生存率も高かった。次に家兎の出血性ショックモデルを作成し、微小循環動態を観察し、輸液蘇生での変化を検討した。脱血量は循環血液量の40-50%を目標とした。晶質液としてLactate Ringer (LS)を膠質液としてHydroxyethyl starch (HES)を投与した。HESはLRに比し有意に、血圧回復効果は速く血圧保持作用が強く、中心静脈圧は速く回復し、尿量は多く、血漿膠質浸透圧は保たれ、細動脈の血管径、血流速度、血流量は保たれた、という知見が得られた。さらにLPSを投与し、家兎の敗血症性ショックモデルを作成し、NF-kBの機能を特異的に阻害できるデコイ型核酸医薬(NF-kBデコイオリゴヌクレオチド)を用いて、敗血症に有効であるかを検討中である。ショックの治療の開発のためにこの研究をさらに進めたい。
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