2003 Fiscal Year Annual Research Report
パラコートの急性毒性機構に関与する新規ミトコンドリア酵素の研究
Project/Area Number |
15591664
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
島田 ひろき 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60278108)
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Keywords | パラコート / ミトコンドリア / NADH-quinone oxidoreductase_m / superoxide / voltage-dependent anion channel |
Research Abstract |
パーキンソン病のリスクファクターの一つである除草剤パラコートの毒性発現に係わる,ミトコンドリア(Mt)外膜酵素NADH-quinone oxidoreductase_mの構成成分を解析するため,以下の実験を行った。 ラット肝臓より単離したMtをガラス上に吸着させ,10mMパラコート,2mM NADHを基質として反応させた。生成したsuperoxideの不均化反応によって生ずるH_2O_2を,dichlorofluorescin-diacetate蛍光法によって検出すると,パラコートまたはNADH単独では,ブランクと比べて蛍光強度に差は見られなかったが,両者を同時投与すると蛍光を発するMt数,強度とも増加した。この反応はアニオンチャンネルブロッカーである4,4'-diisothiocyanatostilbene-2,29-disulfic acid, Mt外膜にあるvoltage-dependent anion channel (VDAC)の結合物質であるN,N'-dicyclohexylcarbodiimide,および抗VDAC抗体によって抑制された。 また,Mt外膜より調製したNQO_mをnative-ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)し,Nitroblue tetrazorium還元法によるzymographyを行ったところ,500kDaに活性が現れた。このバンドをSDS-PAGEにかけ,Western blotしたところ,抗VDAC抗体と反応する成分が含まれていた。 以上の結果より,NQO_m蛋白質複合体にはVDACが含まれていると考えられた。 [研究発表] 1.第59回日本顕微鏡学会学術講演会,平成15年6月 2.第3回ミトコンドリア研究会,平成15年12月
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