2003 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌進展におけるEBAG9/RCAS1遺伝子の役割
Project/Area Number |
15591671
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 信隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (50160510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 聡 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40251251)
高橋 悟 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (50197141)
浦野 友彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20334386)
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90167487)
松本 信也 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50345196)
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Keywords | 腎癌 / 抗腫瘍免疫 / マウス / EBAG9 / RCAS1 / 予後因子 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
マウス腎癌細胞株におけるEBAG9発現・機能解析 (1)in vitroの検討 1.マウス腎癌細胞株Rencaを用いたEBAG9/RCAS1のstable transfectantの作成:マウス腎癌細胞株RencaにpcDNA3/EBAG9をLipofectamine法にてtransient transfectionした後、G418にて薬剤選択されたクローンを回収し、これをstable transfectant(Renca-EBAG9)とした。ゲノムDNAにEBAG9がintegrationされていることを確認するため、PCRを行ったところクローン3,4におけるintegrationが確認できた。これらのクローンにおけるEBAG9の発現を確認するため、RT-PCR、Westernblotを施行したところmRNA,タンパクレベルの発現を確認できた。 2.細胞増殖に対するEBAG9/RCAS1の作用:1で作製したRenca-EBAG9クローン3,4を用いてMTT assayを行ったところ、細胞増殖能はコントロールベクター導入株とほぼ同程度であった。 また、Renca-EBAG9細胞培養液上清をサル尿細管由来の細胞株COS7の細胞培養液に添加したところ同細胞の細胞増殖能に変化はみられなかった。これによりEBAG proteinがsoluble formとなった状態でも細胞増殖を促進する作用は明らかでなかった。in vitroにおいてはEBAG9が細胞増殖を促進する作用は確認できなかった。 (2)in vivoの検討(EBAG9/RCAS1 stable transfectantを用いた腎癌細胞株移植) 1.EBAG9/RCAS1がin vivoにおいて腫瘍増殖に及ぼす作用:EBAG9/RCAS1がin vitroにおいて腫瘍増殖、immune escape機構に関与するかを明らかにする目的で、Renca-EBAG9クローン3,4をBalb/cマウスの左腎皮膜下に移植し、25日後に形成された腫瘍を解析したところRenca-EBAG9細胞腫瘍の方がコントロールベクター導入Renca細胞腫瘍に比べて有意に増大していた。 2.EBAG9/RCAS1安定発現腫瘍の生命予後に及ぼす影響:腫瘍におけるEBAG9の発現が生命予後へ及ぼす影響を調べる目的で、Renca-EBAG9をBalb/cマウスの背部皮下に移植したところ、Renca-EBAG9細胞腫瘍マウス群はコントロールベクター導入Renca細胞腫瘍マウス群より早期に死亡した。Kaplan-Meier法による生存解析を施行したところ同マウス群の予後は有意に不良であった。
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Research Products
(1 results)