2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷および中枢神経疾患により失われた排尿制御機能に対する細胞移植神経再生治療
Project/Area Number |
15591678
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
石塚 修 信州大学, 医学部, 助教授 (20184541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 靖彦 信州大学, 医学部, 助教授 (40159588)
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Keywords | 脊髄損傷 / 中枢神経疾患 / 排尿 / 細胞移植 / パーキンソン病 / 膀胱過活動 / 膀胱内圧検査 / ラット |
Research Abstract |
平成15年度は神経再生医療を行うための、脊髄損傷および中枢神経疾患病態モデルの確立を主に行った。 1.コントロールとしての正常ラットの膀胱内圧検査法の確立 メスのSD種ラットを用いて、膀胱内圧用のカテーテル、および薬剤投与(経動脈、経静脈、脊髄内、大脳側室内)用のカテーテルを留置し、覚醒状態で膀胱内圧検査を行えるモデルを確立した。 2.脊髄損傷モデルの確立 胸椎7-8レベルでの脊髄損傷モデルを、マイクロウェーブを利用して凝固する手法を用いて作成した。損傷後3日目より膀胱内圧検査を行ったが、約2週目より排尿反射弓の過活動による膀胱収縮が認められることが判明した。 3.パーキンソン病モデルの確立 ラットの腹腔内にCarbidopaおよびL-DOPAを投与することにより、中枢の大脳黒質を薬剤で刺激する手法を用いて、パーキンソン病ラットで認められる膀胱過活動状態を再現することが可能となった。 4.脳血管障害モデルの確立 ラットの片方の内頚動脈を閉塞する手法を用いて脳血管障害モデルを作成した。その後、翌日より膀胱内圧検査を行い、翌日には膀胱過活動状態を認めることが判明した。 5.上記の病態モデルに対して、コントロールと同様に膀胱内圧用のカテーテル、および薬剤投与(経動脈、経静脈、脊髄内、大脳側室内)用のカテーテルを留置し、覚醒状態で膀胱内圧検査を行える手技を確立した これらの実験結果をもとに、再生が可能であるかを平成16年度に行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Igawa, Y., Satoh, T., Mizusawa, H., Seki, S., Kato, H., Ishizuka, O., Nishizawa, O.: "The role of capsaicin-sensitive afferents for autonomic dysreflexia in patients with spinal cord injury"BJU int. 91(7). 637-641 (2003)
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[Publications] Zhang, X.Y, Igawa, Y., Ishizuka, O., Nishizawa, O., Andersson, K.E.: "Effects of resiniferatoxin desensitization of capsaicin-sensitive afferents on detrusor over-activity induced by intravesical capsaicin, acetic acid or ATP in conscious rats"Naunyn-Schmiedeberg's Arch.Pharmacol.. 367. 473-479 (2003)
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[Publications] 石塚 修, 井川靖彦, 佐藤智哉, 水沢弘哉, 西澤 理: "カプサイシン・レジニレフェラトキシン、ボツリヌス毒素による治療からみた下部尿路生理機能の再検討"日本パラプレジア医学会雑誌. 16(1). 20-21 (2003)
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[Publications] Ishizuka, O.: "New approaches for overactive bladder treatment : Targeting adrenergic receptors and neurokinin receptors"Curr.Med.Chem.. 3. 43-47 (2003)
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[Publications] 石塚 修: "過活動型膀胱:神経伝達物質研究の最前線"Urology View. 1(5). 20-26 (2003)
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[Publications] 石塚 修: "頻尿・尿失禁の病態に応じた診断と治療の実際.過活動型膀胱"Prog.Med.. 23(8). 2087-2090 (2003)
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[Publications] 石塚 修, 西沢 理: "排尿障害治療薬.佐藤 博監修 新薬展望2003"医薬ジャーナル社. 349-353 (2003)