2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイを用いた進行前立腺癌のホルモン化学療法の効果予測
Project/Area Number |
15591679
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 義人 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20226905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 英俊 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20252132)
出口 隆 岐阜大学, 医学部, 教授 (40163935)
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Keywords | 前立腺癌 / DNAマイクロアレイ / 治療効果 / ホルモン治療 |
Research Abstract |
われわれが樹立したアンドロゲン依存性前立腺癌細胞株を親株として、ホルモン非依存性の前立腺癌細胞株を作製している。またこの親株とわれわれが作製した非依存株との間での遺伝子発現の相違を、DNAマイクロクロアレイを用いて検討している。またわれわれは、1995年より患者の承諾を得て前立腺腫瘍からmRNAを抽出し、cDNAに合成し保存している。そこで、本年度は、前立腺癌組織由来のcDNAを利用して、進行前立腺癌のホルモン化学療法に関連した遺伝子発現の検討に使用できるDNAマイクロアレイを作製している。すなわち、当教室において樹立したホルモン耐性前立腺癌細胞株に対してのDNAマイクロアレイ解析した結果と、他の研究グループが報告しているホルモン耐性化および前立腺癌での抗癌剤耐性化に関連した遺伝子を用いて、専用のDNAチップを作製する。PCRを用いてcDNAを合成し、あるDNAチップ作製装置(アレイヤー)BIO ROBOT 9600を用いてスライドガラスに整列させた。この新しく作製したホルモン耐性化関連遺伝子発現検討用のDNAチップによるターゲット検出(Scan Array 4000を使用)の至適条件を、ホルモン耐性前立腺癌細胞株を用いて検討した。ついで、前立腺癌の臨床材料でこのDNAマイクロアレイを実施し、有意に発現の亢進または減弱している遺伝子を決定する作業を進めている。今後は、標的とする遺伝子に対して、リアルタイム定量的PCR用のプライマーおよびプローベを作製し、ホルモン化学療法の治療前および経過中に2回以上組織を採取できた症例を対象に、リアルタイム定量的PCRを実施する。また癌細胞株に各種のホルモンと抗癌剤を加えて対象とする遺伝子発現量の変化を検討することをすすめる。また、この実験結果と臨床上の治療成績をもとに、ホルモン化学療法の効果を予測するのに有用な遺伝子マーカーを決定する。
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