2004 Fiscal Year Annual Research Report
発癌感受性遺伝子座としてのX染色体の果たす役割に関する研究
Project/Area Number |
15591680
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Research Institution | Department of Urology, Faculty of Medicine, Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡田 裕作 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 圭生 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50303780)
杉原 洋行 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30171169)
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Keywords | X染色体 / 不活化 / XIST / クラインフェルター症候群 / 癌遺伝子 / 乳癌 / 卵巣癌 |
Research Abstract |
Klinefelter症候群は性腺外胚細胞腫、乳癌の発生率が高く染色体異常の中でも発癌感受性の高い症候群といえるが、その発癌メカニズムについては明らかではない。 今回の研究で、われわれはKlinefelter症候群由来癌細胞株において不活化X染色体の欠失と活性型X染色体の増幅という興味深い事象を見出した。さらに、乳癌、卵巣癌、子宮癌由来の細胞株においても同様な不活化X染色体の欠失が起こっている場合には、活性型X染色体の増幅が随伴していることを明らかにした。逆に活性型X染色体の欠失は、認められなかった。 1970年代に女性由来の癌(乳癌、子宮癌等)でBarr bodyの欠損すなわち不活化X染色体が消失するという現象がいくつか報告され、さらにこの事象は予後不良因子として認知されていたが、その生物学的意義やメカニズムについては不明のまま今日に至っている。 今回のわれわれの研究は、Klinefelter症候群および女性由来の癌細胞において不活化X染色体の欠失と活性型X染色体の増幅が随伴してみられ、癌感受性遺伝子座としてのX染色体が癌抑制遺伝子よりは、むしろ癌遺伝子的役割を果たす可能性を示したもので、35年前に報告されたBarr bodyの欠損の生物学的意義を一歩解明したといえる。
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Research Products
(3 results)