2004 Fiscal Year Annual Research Report
進行性泌尿生殖器癌に対するTRAIL併用抗癌化学療法の開発:動物モデルへの展開
Project/Area Number |
15591691
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佃 文夫 国立大学法人香川大学, 医学部, 助手 (40314934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 善行 国立大学法人香川大学, 医学部, 教授 (20214273)
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Keywords | 腎癌細胞 / TRAIL / TRAILレセプター / 抗DR4モノクロナル抗体 / 抗DR4モノクロナル抗体 / アポトーシス / カスパーゼ / ヌードマウス移植モデル |
Research Abstract |
まず進行性腎癌、ホルモン療法抵抗性前立線癌、進行性膀胱癌に対する腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)併用抗癌化学療法の可能性を検討した。TRAILと臨床的投与可能な低濃度のアンスラサイクリン系抗癌剤との併用により腎癌と前立腺癌細胞に対して相乗的な殺細胞効果が認められたが、正常腎培養細胞と前立腺間質PrSC細胞には認められなかった。その機序としてアドリマイシンは腎癌細胞におけるTRAIL受容体1(DR4)と2(DR5)の発現増強を介することを明らかにした。カスパーゼを阻害することにより相乗効果が抑制されることからカスパーゼカスケードがその相乗効果に重要であることも証明した。次にDeath domainを有するDR4、DR5にのみ結合し、Decoy受容体によって阻害を受けない抗TRAIL受容体抗体による進行性泌尿生殖器癌治療法の開発も行った。9症例の初期腎癌培養細胞と2種類の腎癌株化細胞におけるTRAIL受容体をFlow cytometry法で解析したところ、DR4は11例中1例のみ発現した。対照的にDR5は10例において発現が認められた。抗DR4と抗DR5抗体(ETR1とETR2)に対する感受性をMTT試験にて測定したところ、DR4を発現した1例の初期腎癌細胞のみETR1に対して感受性を示した。ETR2に対してはDR5を発現した10例の腎癌細胞が感受性を示し、ETR1とETR2の抗腫瘍効果は腫瘍細胞表面におけるDR4及びDR5の発現とよく相関した。ETR1とETR2の抗腫瘍効果はカスパーゼカスケードの活性化を介したアポトーシスの誘導によるものを証明した。SCIDマウスとヌードマウス皮下移植モデルにおいてETR2の抗腫瘍効果を検証した。ETR2の抗腫瘍効果は膀胱癌T24、J82細胞及び前立腺癌DU145、LNCaP細胞においても認められた。
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Research Products
(6 results)