2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591695
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
真崎 善二郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (40038716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇司 佐賀大学, 医学部, 助手 (40363436)
徳田 雄治 佐賀大学, 医学部, 助手 (90315200)
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Keywords | 代用尿道 / 大網 / 尿路上皮 / 中皮 / 塩酸処理 |
Research Abstract |
本年度の結果 【in vivo下での代用尿道構造の検討】 我々は、既にin vitro下に大網を代用尿路の足場として用いて培養をおこなっており(研究基盤(B)(2)12470332)、播種した尿路上皮が良好に生着するために、大網表面の中皮を塩酸により化学処理して剥離する必要性のあることを明らかにした。これに着目し、in vivo条件下での尿路代用組織を検討するため、一旦Wister Ratから膀胱粘膜上皮のみを単離して培養し、再び同種の大網を尿路に見立てた袋状の空間の中に播種した。標本は術後7日日に採取した。 I.塩酸で中皮を処理した大網と中皮未処置の大網で上皮の生着の程度をH.E.染色および免疫染色で比較検討した。 II.炎症性肉芽反応により、作成した袋が結節状になり、内腔が閉塞することから、内腔に上皮が生着可能な空間を確保する日的で、親水性素材の尿管カテーテルを細切して代用尿路内に充填した。 条件I.では、中皮処理した大網表面に、より多くの上皮が生着していた。いずれの条件でも、大網の術後の炎症反応が著明であり、血管新生因子(VEGF)はいずれの群でも発現しており差はなかった。 条件II.では内腔がカテーテルに圧排され、扁平な上皮が生着していた。上皮の付着について:今回の結果ではin vitroと異なり、未処置の大網にも上皮が生着していた。in vivoにおいては塩酸処理を行った場合に限らず、縫合糸に対する異物反応、その他の因子が上皮の付着に影響を及ぼしている可能性を示唆している。内腔の確保について:カテーテルを内腔に充填した場合、上皮は圧迫により扁平化し、尿路上皮としての構造は不十分である。将来的には上皮の生着を妨害しないような骨格のみで内腔を確保する工夫が必要である。次年度はVascular Acellular Matrix Graft(VAMG)をラット大網内に移植し、その生着について検討する。
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