2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌に対する非破壊的幹細胞移植モデルマウスの作製とその応用
Project/Area Number |
15591711
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Research Institution | lwate Medical University |
Principal Investigator |
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80173409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 陽治 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (70151389)
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Keywords | 腎細胞癌 / MUC1 / HLA-A2 / CTL |
Research Abstract |
1.細胞株を使ったマウス実験モデルの開発 RCCの細胞株としてA498(HLA-A2+)を用いる。この細胞株はHLA-A2拘束性にMUC-1を発現している。 (1)MUC1ペプチド特異的HLA-A2拘束性CTLクローン細胞の樹立:正常ヒト末梢血(HLA-A2+)から単核球をとりだし、付着細胞を得た。GM-CSF、IL-4とともに培養後、5日目にTNF-αを加え培養し樹状細胞を得た。同様に単核球をMUC1ペプチド添加自己樹状細胞で繰り返し刺激しCTLクローン細胞を樹立した。 (2)A498担癌マウスの作製:SCIDマウスの皮下にのA498細胞を植え込み生存曲線を検討した。9.0x10^6のA498細胞を皮下に植え込むと平均67日(52日、81日)の生存を示した。3.5x10^7では平均48日(30日、34日、75日)の生存を示した。今後の実験には5.0x10^7の皮下投与を用いた。 (3)抗腫瘍活性の確認:A498細胞と上述のCTL細胞を加えて培養後、A498細胞への細胞障害率をフローサイトメトリーで検討したところ、HLA-A2+陽性細胞株のみ細胞障害性を示した。 (4)CTL細胞のin vivo抗腫瘍効果の評価:A498担癌マウスに毎週1x10^6のCTL細胞を輸注していき、腫瘍の大きさ、生存率を比較検討した。コントロールとしてCTL細胞のかわりにヒトリンパ球(HLA-A2+あるいはHLA-A2-)を輸注した。現在、施工中であるが、コントロール群では25日、63日に全匹死亡したのに対し、CTL細胞輸注群では1匹が42日に死亡したが、他は生存中である。 以上よりA498腎癌担癌マウスを作製し、MUC1ペプチド特異的HLA-A2拘束性CTLクローン細胞を投与すれば、生存曲線の延長が認められ、このマウスはミニ同種幹細胞移植のモデルとなりうると考えられた。
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