2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591720
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
芝 延行 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30247457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 達朗 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70188308)
川村 研二 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40224852)
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Keywords | 中心体 / p53 / サイクリンE / 放射線照射 / G2停止 |
Research Abstract |
正常細胞において、中心体複製周期とDNA複製周期は同調しており、厳密にコントロールされている。中心体複製制御にかかわる、以下の点を明らかにした。 1、膀胱がんにおいてp53の異常が単独に生じても中心体複製制御は保たれる。また、G1/Sで中心体の複製の開始とDNAの複製の開始を同調する働きのある、サイクリンEの過剰発現においても中心体複製制御は保たれる。ところが、p53の異常とサイクリンEの過剰発現が同時に生じたときに、中心体過剰複製と染色体不安定性が生じる。すなわち、中心体に存在するこれらの異状が癌化に強く関与していることを今回明らかにした。 2、中心体複製制御の異状は癌化に重要であるだけではなく、がん細胞に放射線を照射した時、中心体過剰複製が生じ、細胞は分裂死へと導かれるという現象が生ずることを明らかにし、そのメカニズムを報告した。すなわち、膀胱がん細胞株は放射線照射24時間目以降にG2停止となった細胞に中心体過剰複製が生じ、その結果,細胞分裂の障害,多倍体化,細胞分裂死が生じた。ヒト線維芽細胞CCD32SKではG1/G2停止が生じたが、G1またはG2に停止したまま細胞周期は進行せずに細胞死へと導かれた。がん細胞とヒト線維芽細胞では、放射線に対する反応が違い、G1停止をコントロールする遺伝子が重要な役割を担っている可能性が示唆された。そのひとつが、p53でありこの遺伝子をsilencingすると、ヒト線維芽細胞でも射線照射24時間目以降に中心体過剰複製が生じた。 中心体に多数存在するタンパク質の中でも、中心体複製制御に関与するあるタンパク質が、癌化、さらには癌細胞の細胞死に関与しているという結果であった。特にp53は、これらの事象に強く関係しており、その下流のタンパク質等との関連が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)