2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト未熟卵胞の凍結保存およびマイクロカプセルによる体外成熟に関する研究
Project/Area Number |
15591725
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30163124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田熊 直之 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (10312464)
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Keywords | 未熟卵胞 / 凍結保存 / 体外成熟 / マイクロカプセル |
Research Abstract |
ヒト未熟卵胞の凍結保存法の確立、凍結融解後の未熟卵胞(原始卵胞、一次卵胞)の体外培養系の確立のための第一段階として、異種間移植のためのマイクロカプセルを開発し、未熟卵胞を異種動物(マウス)へ移植し、成熟卵胞・卵子を獲得すること、ならびに、初期卵胞発育機構に関し、卵細胞・顆粒膜細胞からの相互のシグナリングを中心に解析し、ヒト未熟卵胞の体外培養系の確立することを目的とし、本年度はVitrification法によるヒト未塾卵胞の凍結保存法の確立のための前段階として体外受精時に受精の認められなかったヒト未受精卵を用いvitrificationの有用性に関し検討した。 1)ガラス化液として10%EG含有PBS液で10分間前処理後、15%EG+15%DMSO+0.5M sucrose含有PBSに浸積しクライオトップを用いて急速凍結を行った。propidium Iodideとcarboxyfluorescein蛍光色素によるdouble staining法により、約90%の融解後の生存率が確認され、この方法を応用することにより未熟卵胞の凍結保存の可能性が示唆された。 2)初期卵胞発育に関与する因子としてHB-EGFに着目し、ラットを用い卵胞、黄体におけるHB-EGFおよび受容体の発現、局在に関し検討した。 HB-EGFは初期発育卵胞の顆粒膜細胞に存在するが、成熟卵胞では認められず、また、黄体細胞で強現が認められる結果より、HB-EGFが初期卵胞のリクルートなど卵胞発育に関与する可能性が明らかとなった。 3)凍結融解後の卵子の受精能低下に関し、卵細胞膜と精子の相互作用の観点から卵細胞膜のインテグリンに関し検討した結果、卵細胞膜のインテグリンは精子の結合・融合には必須でないことを明らかにした。 来年度はvitrification法の確立およびマイクロカプセルを用いた移植実験を発展させる予定である。
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