2003 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌組織得意的発現遺伝子および発現抑制遺伝子の単離と遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
15591730
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鹿沼 達哉 群馬大学, 医学部, 助教授 (90241885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 宏 群馬大学, 医学部, 助手 (30344948)
峯岸 敬 群馬大学, 医学部, 教授 (00209842)
|
Keywords | 卵巣癌 / 癌遺伝子 / Differential Display法 / 遺伝子治療 / p16INK4A / エストロゲン受容体 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
1.卵巣癌組織特異的発現遺伝子の単離 早期リンパ節転移率が高く、化学療法不応症の卵巣明細胞腺癌と増殖は早いが抗癌剤感受性の高い漿液性腺癌との遺伝子プロファイリングの目的で、手術時採取新鮮凍結標本からmRNAを抽出し、Differential Display法により、おのおのに特異的に高発現しているmRNAを抽出した。両群間で明らかな差を認めたバンドは22本あり、サブクローニングし、塩基配列を決定し、Real time PCR法による差の確認を行ったところ、発現に有意差のある遺伝子は3本に絞られた。内1つはSP17で精巣腫瘍との関連が示唆されている遺伝子であった。残り2本は未知の遺伝子で、これらはクローニングを行っているところである。 2.遺伝子治療の基礎的研究 癌抑制遺伝子のひとつであるp16遺伝子補充による遺伝子治療開発の目的で、まず卵巣癌細胞株からp16遺伝子の発現していないものをWestern blot法により選択した。また、p16遺伝子発現のある細胞株では細胞質内よりも核内でより高い蛋白の発現を確認した。遺伝子治療の有害な副作用が発現した場合のスイッチオフ機構として、エストロゲン受容体の核内移行ドメインとp16の融合蛋白を用いることを見いだし、コンストラクトを作成した。この組換え遺伝子を、pAXCAwtというアデノウイルス生成ベクターに組み込んだが、二次ウイルス液までは293細胞の融解を認めたが、三次ウイルス液ができなかった。二次ウイルス液を用いた幹線実験ではMTTアッセイ法により細胞増殖の抑制効果が得られたが、in vivo実験に移るためには、四次ウイルスという高力価のウイルス液の作成が必須であるため、ウイルス生成ベクターをpAd5系に変更するとともに、融合蛋白のコンストラクトもスプライシングの入りにくいと考えられる構造に組換えた。現在そのウイルス液の作成を行っている。
|