2003 Fiscal Year Annual Research Report
多嚢胞性卵巣症候群に対するインスリン抵抗性改善薬の有効性の臨床的分子生物学的検討
Project/Area Number |
15591734
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
倉林 工 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (80234540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 美奈 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (00334665)
八幡 哲郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (90293232)
藤田 和之 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (80219005)
加嶋 克則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (50345500)
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Keywords | 多嚢胞性卵巣症候群 / インスリン抵抗性 / Clomiphene / metformin / 遺伝子多型解析 |
Research Abstract |
1.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵誘発法選択に関するインスリン抵抗性指標の有用性の検討:PCOSの不妊女性59名を対象として、Clomiphene(C剤)100mg5日間を2コース以上行ない、排卵しなかった症例を無効例とした。無効例と有効例で、60分・120分血糖、120分インスリン、血糖AUCに有意差を認めた。PCOSの排卵誘発において、75g-OGTT120分の血糖やインスリン値(120分血糖≧120mg/dl or 120分血糖×インスリン値≧9000)がC剤不応性を判別でき、排卵誘発法の選択に有用と考えられた。(投稿中) 2.C無効の多嚢胞性卵巣症候群に対するmetformin(M剤)併用療法の有用性の検討:C剤無効PCOSの不妊女性15名を対象として、1コース目はD3からM剤500mgを14日間内服し、2〜3コース目はD5からC剤100mg5日間を併用した。治療開始前の75gOGTTで境界型6例(40%)、BMI≧25の肥満が9例(60%)であった。乳酸アシドーシスや低血糖などの副作用は認めなかった。M剤単独では全例で排卵せず、M剤+C剤の併用では、対症例87%、対周期61%に排卵を認め、2例(13%)が妊娠した。卵巣過剰刺激症候群やM剤による副作用は認めなかった。(Reproductive Medicine & Biology 2004) 3.PCOS女性のインスリン抵抗性や肥満に関する遺伝子多型解析によるインスリン抵抗性改善薬への反応性の違いの検討:現在までに同意を得られた約60例の女性のDNAを抽出した。インスリン抵抗性や肥満に関与するといわれるβ3アドレナリン受容体、β2アドレナリン受容体等の遺伝子多型について解析中である。 4.これらの研究から得られた結果は、平成16年度の日本産科婦人科学会学術集会、日本内分泌学会(臨床内分泌代謝Uptodate)、日本更年期医学会などで発表し、関連する英文雑誌に投稿し報告する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kurabayashi T. et al.: "The effects of low-dose metformin in Japanese women with clomiphene-resistant polycystic ovary syndrome"Reproductive Medicine & Biology. 3. 19-26 (2004)
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[Publications] Kurabayashi T. et al.: "Endometrial abnormalities in infertility patients"J Reprod Med. 48(6). 455-459 (2003)