2003 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺疾患における分娩後Microchimerism細胞の由来の検討
Project/Area Number |
15591751
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐村 修 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90314757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三春 範夫 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253082)
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Keywords | FISH法 / Real time PCR法 / Microchimerism / 母体血中胎児DNA / SRY遺伝子 |
Research Abstract |
【目的】近年、妊娠母体血中の胎児細胞が、分娩後や中絶後の長期間にわたって存在することが報告されMicrochimerismと呼ばれている。特に甲状腺疾患を引き起こす原因の一つとしてこの現象が報告されている。甲状腺疾患患者の病理組織スライドで胎児細胞が検出されるかいなかを前向き実験として行うための予備実験として組織FISH法の手技の確立と、正常女性の血中に胎児DNAが存在するか否かを目的として検討した。【対象】20枚の病理組織スライドにX染色体とY染色体に特異的なプローブを用いて組織FISH法を施行する手技に関する基礎的検討を行った。引き続き、女性の甲状腺組織の病理スライド標本に,X染色体とY染色体に特異的なプローブを用いて組織FISH法を施行した。次に男児を分娩したことのある女性,女児分娩歴の既往しかない、もしくは妊娠歴のない女性それぞれ10名より血液を採取し、得られた血液の血清部分からDNA抽出を行い、このDNAをY染色体に特異的なSRY遺伝子領域のプライマーを用いてTaqman法を利用した定量的PCR法を行い検体1mlあたりのY領域のコピー数を検討した。【結果】20枚のスライドすべてにシグナルを得ることが可能であった。特にFISH法を施行する前の前処理が重要であることが判明した。女性の甲状腺組織のスライドではY染色体シグナルを確認した。現在、男児を妊娠していない女性ではSRY遺伝子は検出されなかった。【結論】組織FISH法の基礎的手技を確立し、女性の甲状腺組織のスライドにおいてY染色体のシグナルをもつ細胞を確認した。また、正常非妊娠女性では血液中に胎児DNAは検出されないことも判明しMicrochimerismが末梢血には存在しないことが判明した。
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