2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト配偶子形成過程の分子移伝学的解析(生殖補助技術におけるゲノム刷り込みの影響)
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15591761
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
増崎 英明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00173740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 秀一郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00274663)
中山 大介 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50315248)
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Keywords | 生殖補助技術 / epigenetics / imprinting / maternal plasma / placental DNA / placental RNA |
Research Abstract |
本年度は、初期発生において生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology : ART)が後天性遺伝子修飾機序に及ぼす影響を解明するため、本期間のターゲットとして、母体血漿中胎児成分の供給源を明らかにし、胎盤特異的遺伝子発現と後生的遺伝子修飾機序(エピジェネティクス)を指標とした母体血漿中胎児DNAおよびRNAの臨床応用の可能性について検討を加えた。 1.Confined placental mosaicism(CPM)症例を集積し、父性トリソミーを有するCPM3例を同定した。妊娠中の母体血漿中において、これらのトリソミーアレルを検出し得た。また、分娩後一ヶ月に採取した母体血漿中では、胎盤由来のトリソミーアレルは消失していた。胎盤は、母体血漿中に混在する浮遊胎児DNAの主な供給源の一つであることが示唆された。この結果を、英文論文として報告した(Masuzaki et al. J Med Genet. 2004).また、逆に臍帯血中への母体成分の流入に、陣痛が影響していることを確認し、これを英文論として報告した(Masuzaki et al. Clinical Chemistry. 2004)。 2.胎盤特異的に発現する遺伝子として、hCG-β mRNAおよびhPL mRNAに着目した。real-time RT-PCR法を用いて母体血漿中の両遺伝子レベルを定量したところ、母体血漿中のhCG-β mRNAレベルは妊娠経過とともに減少し、一方でhPL mRNAレベルは増加していた。本法の臨床応用として、膀胱浸潤を認める前置胎盤例における穿通胎盤の状態をモニターすることが可能であった。したがって、母体血漿中hCG-β mRNAレベルおよびhPL mRNAレベルの定量は、妊娠中の胎盤機能をモニターし得る分子遺伝学的マーカーとしての可能性が示された。この成果を英文論文として報告し、アクセプトされた(Masuzaki et al. Clinical Chemistry. In press). 上記より、母体血漿中の胎児/胎盤由来DNAおよびRNAをもちいて、初期発生においてARTが後天性遺伝子修飾機序に及ぼす影響を解明する手がかりを得た。
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Research Products
(7 results)