2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎盤絨毛マクロファージに発現するLH/hCG受容体の機能解析
Project/Area Number |
15591763
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
片渕 秀隆 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (90224451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 浩徳 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70304996)
大場 隆 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50244132)
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Keywords | 胎盤 / 絨毛 / マクロファージ / LH / hCG受容体 / エクソン9欠失LH / hCG受容体 / THP-1細胞 / hCG / hCGβsubunit core fragment |
Research Abstract |
本研究課題における第1段階として、正常妊娠12症例の同意の下にヒト胎盤絨毛(妊娠6週〜41週)を得た後、ヒトLH/hCG受容体のエクソン1〜2に対するポリクローナル抗体を用いて免疫組織化学染色を行った。その結果、絨毛マクロファージはトロフォブラストとともに全妊娠期間を通して抗LH/hCGR抗体に陽性を示した。次に、ヒト胎盤初期絨毛3例(妊娠6週〜11週)から分離した絨毛マクロファージにおけるLH/hCG受容体遺伝子のエクソン8〜11に対するRT-PCR法を進め、得られた産物のシークエンス解析を行つた。RT-PC法によって2つの遺伝子産物が得られ、野生型とエクソン9を欠失した型であることが明らかとなった。これらののin vivoの検討から、ヒト胎盤絨毛マクロファージにはエクソン9欠失LH/hCG遺伝子(Del9型)が発現していることから、次段階としてマクロファージへの分化能を有するヒト単球系の細胞株であるTHP-1細胞を用いてin vivoの検討を行った。THP-1細胞にDel9型遺伝子、野生型遺伝子、そしてベクターのみを導入した後、これらの導入細胞をhCG(10μg/ml)存在下で培養し、48時間、72時間後に培養上清と細胞質中のintact hCG (hCG)とhCG β subunit core fragment (β-CF)の濃度を測定し、3群間で比較検討した。培養上清ならびに細胞質中のhCGおよびβ-CF濃度は、それぞれ経時的に漸減および漸増した。さらに、細胞質中のhCG濃度に対するβ-CF濃度の比率(β-CF/hCG)は、Del9型の系の48、72時間後においてそれぞれ2.9、3.5で、野生型の系よりも1.4倍、1.6倍と有意に高く、hCGのβ-CFへの分解が亢進していることが示された。 絨毛マクロファージには、野生型に加えDel9型のLH/hCG受容体が発現し、THP-1細胞へのLH/hCG受容体遺伝子発現ベクターの導入実験により,マクロファージにおけるDel9型の存在がhCGの分解を亢進することが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Sageshima, et al.: "Necrotic feature of the trophoblasts lacking HLA-G expression in normal and preeclamptic placentas"American Journal of Reproductive Immunology. 49. 174-182 (2003)
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[Publications] H.Katabuchi, et al.: "Characterization of macrophages in the decidual atherotic spiral artery with special reference to the cytology of foam cells"Medical Electron Microscopy. 36. 253-262 (2003)