2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子あるいは発現プロテオミクス解析を用いた婦人科癌抗癌剤耐性の分子標的の研究
Project/Area Number |
15591768
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (00187056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 隆一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045409)
時野 隆志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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Keywords | 抗癌剤耐性 / 卵巣癌 / cDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
卵巣癌における主要な組織型の細胞株を収集し、それぞれに現在臨床的に用いられている主要な抗癌剤であるTaxane系の、Paclitaxel及びDocetaxel、プラチナ系製剤のCDDPとCBDCAを投与した。Taxane系及びプラチナ系それぞれに対して感受性のある細胞株、耐性株を用いて、これら細胞株に一定時間、各種抗癌剤を暴露し、その投与前後における遺伝子群発現のパターンの変化を主としてcDNAアレイテクニックを用いて検討し、各種抗癌剤効果発現、耐性獲得におけるアポトーシス関連遺伝子群の変化を検討した。 その結果、漿液性卵巣癌細胞株KF及びそのPaclitaxel耐性株KFTXを用いた検討で、Paclitaxelの効果発現にはP53非依存性でミトコンドリアを介するアポトーシス経路に関与する遺伝子群、特にApaf-1の発現増強が重要であり、耐性株KFTXではこの経路の抑制が認められること、さらにアポトーシス抑制にかかわるbag-1、hsp70の発現が耐性株で増強していることが認められ、論文で報告した。現在、bag-1に対するantisense oligonucleotideを用いて、これを耐性株に導入して薬剤耐性がどう変化するか、また関違する遣伝子群の変化につき検討している。更に現在、Paclitaxelと並ぶもうひとつの代表的Taxane系抗癌剤であるDocetaxelを用いて、同様にKF及びそのPaclitaxel耐性株KFTXに作用させマイクロアレイでアポトーシス関連遣伝子群の変化を検討している。同じTaxane系薬剤であるがPaclitaxelとDocetaxelは、共通のアポトーシス経路のみならずそれぞれの薬剤に固有なアポトーシス経路により薬剤効果を発現していることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sugimura M, Sagae S, Ishioka S, Nishipoka Y, Tsukada K, Kudo R: "Mechanisms of paclitaxel-induced apoptosis in an ovarian cancer cell line and its paclitaxel-resistant clone."Oncology. 66(1). 53-61 (2004)
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[Publications] Terasawa K, Sagae S, Toyota M, Tsukada K, et al.: "Epigenetic inactivation of TMS1/ASC in ovarian cancer."Clin Cancer Res.. 10(6). 2000-2006 (2004)