2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト精子核クロマチン構成蛋白の異常が妊孕性に与える影響についての研究
Project/Area Number |
15591771
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
片寄 治男 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90281237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 薫 国際医療福祉大学, 不妊センター・産婦人科, 教授 (10182370)
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Keywords | ヒト射出精子核 / プロタミン / アクリジンオレンジ / フローサイトメトリー / 受精 |
Research Abstract |
1、Acridine orange(AO)染色によるsperm chromatin structure assay(SCSA)により原精液中にgreen型精子の割合が低いprotaminationが不十分な症例の受精を検討した。1999年1月から2000年1月の間に外来を受診した513夫婦を対象とした検討では、機能性不妊は71例(13.8%).であり、IVFを実施したのは43例(60.6%)で受精障害(受精率25%未満)は内23例(53.5%)に認めた。SCSAは1999年11月から2000年8月の間にIVFにより治療された120症例の射出精子を対象とし、IVFを行った機能性不妊78例の内36例(46.2%)に受精障害を認め、内%green50%未満が21例(58.3%)存在し、卵管性不妊(42例中3例、7.1%)と比較して精子成熟性が低かった(p<0.001)。当科の機能性不妊の割合は13.8%であることから、不妊原因のうち6.4%に受精障害を、3.7%に精子成熟障害を認めることが推測され、不妊症の新たな原因が浮上した。 2、胚盤胞形成能に関わる精子側の因子を調査する目的にSCSAを用いて射出精子核の質的検討をし、発生能との関連を検討した。2000年7月から2001年1月の間に胚盤胞培養を実施した44周期(25 IVF周期、19 ICSI周期)を対象とした.SCSAはAOを用いたAO testとflow cytometryによった.胚盤胞形成率はday5の胚盤胞数を受精卵数(2PN)で除した%で表した.胚盤胞形成率はICSI周期の揚合%green(AO test)と負の相関が(r=0.789、p=0.0005)、COMP(cells outside the main population)と正の相関が認められた(r=0.948、p=0.0011).IVF周期ではSCSAの結果と相関するパラメーターはなかった.ICSIの場合には注入された精子核の質的成熟が胚発生に影響することが指摘された.
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