2005 Fiscal Year Annual Research Report
受精着床過程のヒト子宮内膜のエンドスタチン、XVIII型コラーゲンの分子生物学的意義
Project/Area Number |
15591774
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岩橋 正明 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90203398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
梅咲 直彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20106339)
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Keywords | エンドスタチン / 受精着床 / ヒト子宮内膜 / XVIII型コラーゲン |
Research Abstract |
ヒト子宮内膜は月経周期中著明な変化をくり返し、妊娠の成立により脱落膜化する。この過程における細胞外マトリックスの変化についてはまだ十分検討されていない。特に細胞外マトリックスのうち主要な構成成分であるコラーゲンについて検討してきた。このなかでも最近特に腫瘍の発育、転移など血管の新生に重要な役割を呈するエンドスタチンは分子構造上XVIII型コラーゲンの1部であることがわかってきた。このエンドスタチンの生理的な発現も十分検討されていないため、これに焦点をあて子宮内膜および正常妊娠と自然流産の脱落膜におけるエンドスタチンの発現をモノクローナル抗体を作製し、免疫組織化学にて検討した。正常月経周期中の子宮内膜では子宮内膜の血管や子宮内膜腺の基底膜に局在を認めたが、脱落膜では脱落膜細胞周囲を取り囲む形で局在の変化と発現の増加が認められた。また、自然流産の脱落膜ではエンドスタチンの脱落膜周囲の発現の減少あるいは消失が認められた。このことから、エンドスタチン、XVIII型コラーゲンが妊娠の継続に重要な役割をていしていることが示唆された。現在mRNA, in situ hybridizationの手技を使用し、遺伝子レベルでの発現を検討中である。
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