2004 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスをモデルとした防禦免疫誘導機序の解析-経鼻・経口遺伝子ワクチンの開発を通して-
Project/Area Number |
15591810
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 学 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50273644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉根 一郎 国立感染研究所, ウイルス学一部, 部長(研究職) (90278656)
川瀬 雅也 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (90224782)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 遺伝子ワクチン / 防禦免疫 / モンモリロナイト |
Research Abstract |
これまでポリエチレンイミン-キトサン複合体を非ウイルスベクターとして用いて胃上皮細胞への遺伝子導入が可能であることを示してきたが、その導入効率は決して高いとはいえなかったためシアノコバラミンやシクロデキストリンの誘導体などで修飾することにより導入効率を増加させることを試みてきた。最終的には、カチオン性高分子ポリエチレンイミン(PEI)をベースとしてモンモリロナイトという摂食可能な粘土用物質を混合することにより胃上皮細胞ではなく、小腸上皮細胞への遺伝子導入が可能であることを、intestinal epithelial cells(IEC-6 cell)を用いたin vitroおよびマウスを用いたIn vivoの実験により証明してきた。これは、モンモリロナイトが、酸性では、陽イオンに帯電し陰イオンであるDNAをとりこんで保護し、アルカリ性では、陰イオンに帯電しDNAを放出するという性質をもっていることによると考えられる。また、in vivoにおいて遺伝子導入効率を上げるためにはプラスミド:モンモリロナイト:PEI=1:0.1:0.5の条件が最適であることが判明した。次に、血中半減期が短く大量に投与することが難しいIL-10の遺伝子を用いてマウスに経口投与することにより、その血中濃度を測定した。投与後2日後にはモンモリロナイトを加えることにより増加傾向が認められた。これらの結果は種々の遺伝子を今回開発した非ウイルス性ベクターに組み込み、経口投与することにより消化管細胞もしくは鼻粘膜上皮細胞への遺伝子導入を可能にする経口遺伝子ワクチン作成が可能であることを示している。
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Research Products
(2 results)