2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス蝸牛における周波数弁別機構の分子生物学的解析-有毛細胞、ラセン神経節細胞mRNAのsubtraction法、tow-hybrid法を用いて-
Project/Area Number |
15591811
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土井 勝美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40243224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314317)
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Keywords | 蝸牛 / 基底回転 / 頂回転 / 周波数弁別 / DNAマイクロアレイ / real-time PCR |
Research Abstract |
蝸牛における周波数弁別機構を解明するために、蝸牛の基底回転および頂回転よりラセン神経節細胞とコルチ器のmRNAを抽出し、周波数特異的な回転別の蝸牛cDNA・cRNAを作成し、さらに最新の研究手技であるDNAマイクロアレイ法を導入することで、基底回転、頂回転のラセン神経節細胞・コルチ器に特異的に発現する分子の同定を行った。 頂回転側で基底回転側より3倍以上の発現増加が見られたのは、解析を行った19801遺伝子中184遺伝子で、逆に、基底回転側で3倍以上の発現増加が見られたのは、19801遺伝子中181遺伝子であった。頂回転側に特異的に発現する遺伝子ではtransportに関わる遺伝子が18%を占め、カリウムイオン輸送に関与するKCNJ5、KCNJ9、カルシウムイオン輸送に関与するTRPC6などの遺伝子が確認された。基底回転側でも、同様に、イオン・蛋白輸送に関与する遺伝子が約30%を占め、カリウムイオン輸送に関与するKCNQ5、アミノ酸輸送に関与するSlc7a10、Slc6a5、クロライドイオン輸送の役割を有するGABAレセプターのサブユニットであるGABRB1、GABRB2、GABRG2、Gabt1などの遺伝子が確認された。 DNAマイクロアレイ法により頂回転側と基底回転側で発現量に3倍以上の差が見られたイオン・蛋白輸送に関与する遺伝子中、real-time PCR法による遺伝子発現量の解析でも同程度の差が確認された遺伝子はGabt1、Tac1等で、これらは蝸牛内での周波数弁別に密接に関与する分子であることが強く推察された。
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