2003 Fiscal Year Annual Research Report
おとり型核酸医薬(デコイ)を用いた滲出性中耳炎に対する遺伝子治療の検討
Project/Area Number |
15591823
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
牛飼 雅人 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00284886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40305131)
松根 彰志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00253899)
黒野 祐一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
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Keywords | NF-kB / 滲出性中耳炎 / マウス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
1.NF-κBデコイの作製と培養繊維芽細胞への取り込みの確認 NF-κBデコイの細胞への取り込みを確認するため蛍光ラベルしたNF-κBデコイを作製した。蛍光ラベルしたNF-κBデコイを種々の濃度にてリポソーム法にてヒト鼻茸由来培養線維芽細胞へ投与し、蛍光顕微鏡にて経時的に観察し細胞へのデコイの取り込みを検討した。 2.ヒト鼻茸由来培養線維芽細胞におけるNF-κBデコイの作用 NF-kBデコイの作用を確認するためにNF-κBデコイをヒト鼻茸由来培養線維芽細胞にリポソーム法にて投与し、IL-1βにて刺激した後、核蛋白を抽出した。Electrophoretic mobility shift assay(EMSA)法を用いてNF-κB活性を測定し、NF-κBデコイによるNF-κB抑制の程度を検討した。 3.マウス滲出性中耳炎モデルの作製 マウスにおける実験的滲出性中耳炎モデル作製のため、マウスの中耳腔にインフルエンザ菌由来のエンドトキシンを注入し、中耳貯留液の出現の有無およびその期間を調べるとともに、中耳腔粘膜を採取して組織学的変化を観察した。さらに、中耳粘膜からtotal RNAを抽出し、エンドトキシン投与後のムチン遺伝子発現の変化について検討した。 以上本年度においては、in vitroでのNF-κBデコイの細胞への取り込みおよびデコイの作用について検討を行い、デコイによるNF-κB活性の抑制についての基礎的研究を行うとともにマウスにおける実験的滲出性中耳炎モデルの確立を図った。今後はマウス実験的滲出性中耳炎モデルに対し、NF-κBデコイを投与しその影響について検討する予定である。
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