2005 Fiscal Year Annual Research Report
おとり型核酸医薬(デコイ)を用いた滲出性中耳炎に対する遺伝子治療の検討
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15591823
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松根 彰志 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00253899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 祐一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80153427)
相良 ゆかり 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90347112)
林 多聞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50381158)
吉福 孝介 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70381168)
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Keywords | NF-κB / NF-κBデコイ / センダイウイルス / アデノイド線維芽細胞 |
Research Abstract |
1.NF-κBデコイの培養細胞への導入効率に対する検討 NF-κBデコイをセンダイウイルスベクターをもちいて、アデノイド線維芽細胞に導入した。センダイウイルスを用いたNF-κBデコイの導入では、高効率に短時間でアデノイド線維芽細胞に導入できることがわかった。導入効率は蛍光ラベルしたNF-κBデコイを導入し、FACSをもちいて測定した。同時にVIA-Probeを用いて、センダイウイルスベクターによる細胞障害性についても検討を行った。 2 NF-κBデコイの培養細胞への導入部位の検討 NF-κBデコイを導入した細胞を、レーザー共焦点顕微鏡を用いて細胞の形態上、どの部位に導入されているかを検討した。NF-κBは、活性化前は細胞質に存在し、活性化により核内に進入することがわかっている。NF-κBデコイはその多くが細胞質に導入されており、活性化したNF-κBを細胞質にて阻害することが推測された。 3 NF-κBデコイの作用を検討 NF-κBデコイが導入された培養アデノイド線維芽細胞をもちいて、LPS刺激に対するIL-8産生について検討した。 本年度は、これまでの研究にてNF-κBデコイの作用が確認できなかったことを受けて、in vitroの系に立ち返りNF-κBデコイの導入効率を確認し、NF-κBデコイの作用を評価することを行った。センダイウイルスベクターを用いることより、NF-κBデコイの導入効率を上げることに成功した。NF-κBデコイの導入効率化により、NF-κB活性化の抑制を確認し、そのメカニズムを検討した。当初の予定であったin vivoでのNF-κBデコイの作用検討まではいたらなかった。今後は、センダイウイルスベクターをin vivoに応用することにより、in vivoでのNF-κBデコイの作用を検討する予定である。
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