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2004 Fiscal Year Annual Research Report

急性中耳炎の難治化の危険因子と薬剤耐性菌の伝播に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15591828
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

田村 真司  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山中 昇  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
山内 一真  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80336891)
Keywords急性中耳炎 / 薬剤耐性菌
Research Abstract

1.急性中耳炎難治化に関与する危険因子の検討
昨年に引き続き症例を増やし,小児急性中耳炎患児を対象に,臨床経過を臨床症状および鼓膜所見よりなるスコアーリング・システムを用い点数化することにより評価した.
1)鼻咽腔検出菌と急性中耳炎重症度および臨床経過
肺炎球菌および2菌以上の検出例では,重症例が多く難治例が認められた.一方,病原菌が検出されない例,モラキセラ・カタラーリス菌検出例では,軽症例が多く経過は良好であった.
2)臨床経過に関与する危険因子
5病日臨床症状が残る危険因子は,2歳以下の低年齢,初診時の重症例,鼻咽腔肺炎球菌検出例であった.
3)鼓膜所見に関与する危険因子
28病日に鼓膜所見が残る危険因子は,2歳以下の低年齢,初診時の重症例,鼻咽腔薬剤耐性肺炎球菌検出例であった.
4)重症例におけるアモキシシリン治療の有効性に関与する危険因子
アモキシシリン治療にて改善しない危険因子は,低年齢,初診時の鼓膜所見の重症度,薬剤耐性肺炎球菌であった.
2.起炎菌の薬剤耐性遺伝子の検索
小児急性中耳炎患児の鼻咽腔より検出された肺炎球菌の約80%にペニシリン結合蛋白遺伝子(pbp1a,pbp2x,pbp2b)に変異を認める薬剤耐性肺炎球菌が検出され,3遺伝子の変異は約40%に認められた.また,pbp3遺伝子に変異を認めるβラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌は約40%に検出された.
3.耐性菌の伝播に関する分子生物学的検討
急性中耳炎の同胞での発症例では,パルスフィールド電気泳動法において肺炎球菌,インフルエンザ菌ともに殆どの症例で同一の菌株が検出され,同胞間における起炎菌の伝播が考えられた.また,急性中耳炎患児の中耳貯溜液,鼻咽腔より同時に検出されたインフルエンザ菌,肺炎球菌の多くで同一の菌株が検出され,鼻咽腔より耳管を介した中耳感染が確認された.

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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