2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591855
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大路 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40281125)
|
Keywords | 化学的硝子体切除 / プラスミン / 硝子体手術 |
Research Abstract |
近年網膜硝子体疾患の治療に適応が拡大されている硝子体手術の安全性と効率を向上させるために、化学的硝子体切除が有望視されている。化学的硝子体切除に用いる酵素として、プラスミンが期待されているが、感染の危険性を現ずるために患者血液からの精製が望ましい。本研究は患者血液から簡便に純度の高いプラスミンを精製する方法を確立し、その有効性と安全性を検討することが目的である。本研究の最初の段階として、平成15年度の研究では、ヒト血漿から純度が高く、活性の高いプラスミンの精製を試みた。採取した血液30mlから分離した血漿をplasmin affinity cartridgeを通し、血漿中のプラスミノーゲンを吸着させた。リン酸緩衝液で余剰な血液中の蛋白を洗浄した後に、イプシロンアミノカプロン酸(AMICAR液)をカラムに通すことにより吸着しているプラスミノーゲンをaffinity cartridgeから遊離させ、回収した。活性の高いプラスミノーゲンを得るために、回収したプラスミノーゲンをコンセントレーターカートリッジを通し、濃縮した。最終的に得られた高純度プラスミノーゲンをストレプトキナーゼにより活性化し、活性プラスミンを得た。プラスミンの活性はリジンバッファーに溶解した基質D-Val-Leu-Lys PNAを用いて分光吸光度計を用いて測定した。ヒト血液から精製された最終生成物は3.75U/mlのプラスミン活性を有していた。家兎血液を用いて同様の実験を行ったが、プラスミン活性はほとんど得られなかった。 今回の精製法で、患者血液から活性の高いプラスミンが簡便に精製されることが判明した。
|